ミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』のフォトコールが7日に東京・日生劇場で行われ、小瀧望、木下晴香、益岡徹、瀬戸山美咲(演出)が登場した。
同作は2000年9月に初演を迎え、日本では2006年にジョーイ・マクニーリー演出、櫻井翔主演によって初演、2014年にも上演された。イギリス領北アイルランドの首都ベルファストのサッカーチームのエース選手でありプロサッカー選手になることを夢見ているジョン(小瀧)だが、街はカトリック派とプロテスタント派の争いが日増しに激しくなり、ジョンやチームにも不穏な空気が忍び始める。逆らうことのできない運命は、ジョンに人生を大きく変える選択をせまることになる。同作にはほか東啓介、豊原江理佳、加藤梨里香、新里宏太、皇希、木暮真一郎らが出演する。
ミュージカル初挑戦という小瀧は「本当に、みんなにおんぶにだっこで助けられてます。勝手に30歳手前くらいにできたらいいなとイメージしていたら、予想より早かったのでびっくりはしたんですけど、早いに越したことはないですし、挑戦できることをとにかく嬉しく思います。今回座長という立場ですけど右見ても左見ても信頼できる仲間ばかりなので、人に恵まれてると思います」と感慨深い様子。「もうちょっと心の準備と、歌のレベルを積み上げて行って挑戦という感じかなと思っていた」という小瀧だが、益岡は「今の年でよかった、少年に見えるから。少年が一生懸命生きて女の人を好きになって……というのがダイレクトに伝わる」と太鼓判を押した。
小瀧は「歌稽古は9月くらいから始まってまして、音楽監督の指導の方と、今回は海外とも中継でボイストレーナーさんとやらせていただいたり」とボイストレーニングにも励み、「さらにスキルアップ目指して頑張りたい」と意気込む。「とにかく顎をリラックスさせろ、力を抜いてやる」ということを習ったそうで、小瀧は「普段ジャニーズWESTというグループでロックを歌うことが多いので、喉を鳴らすことが多く、その癖をとるのが大変でした。今回はアイドルでなく、『ザ・ビューティフル・ゲーム』のジョンとして立ちますから、その姿を見てほしい」とメッセージを送った。
演出の瀬戸山は「私も初ミュージカル演出ですから、小瀧さんの初ミュージカルをちゃんとした作品にせねば」、小瀧は「瀬戸山さんの初ミュージカル演出の汚点になりたくなかったので、とにかくそれに気をつけようと頑張ってます」と互いを思い合う場面も。瀬戸山は小瀧について「役柄的にもエースでキャップだし、明るく楽しい感じで、歌もみんなを引っ張る方向になってると思います。ジョンが一生懸命生きてるのが大事な作品なので、日々どんどんいきいきしていってる印象があります」と表した。
また木下は「歌声だけではなく、稽古場にいていつもハッとする。『そうだ、小瀧さんは初ミュージカルなんだ』と思っちゃうくらい、初ミュージカル感がなくてすごいなと思いながらいつも見てます」と稽古を振り返り、小瀧は逆に木下について「すっごいです! 1番近くで聞いてるので、歌のパワーを感じて、こんな細い体からどんな声量がでてくるんや!? と毎回思います。(みんなが)思ってる20倍くらいすごいです」と絶賛。木下とデュエットする場面については「勘弁してくださいよって感じです」と苦笑しつつ、「僕ら世代の大スターとデュエットさせていただくのは恐れ多いですし、それがモチベーションになります。追いつかないと、という感じ」と心境を吐露した。
ジャニーズWESTのメンバーについて聞かれると、小瀧は「難しい人もいるかもしれないけど、観に来てくれるんじゃないですかね? 僕自身、神山(智洋)の舞台も行けてないんですけど。僕はどの楽屋でも劇中の歌を歌ってるんですよ。現場のメンバーがついに歌を覚えちゃって、僕と一緒に歌ってて」と状況を説明する。「劇中で『とにかく酒を飲むぞ』という歌があるんですけど、酒好きが多いので、特に中間(淳太)、桐山(照史)が一緒に歌っていて、『観に行く時、一緒に歌ってまうわ!』と言ってました」と笑いを誘った。
舞台人としての小瀧について聞かれると、演出の瀬戸山は「初舞台の時に上演台本をやらせていただいて、繊細で感受性の豊かな俳優さんだなと思いました。他の芝居も見せていただいて、びしっと決めた芝居のできる方で。今回はストレートプレイよりもお客様との関係の結び方の比重が大きくなってくると思うので、稽古場でも想像できる範囲内で『客席に意識を飛ばそう』と話しました。今日は初めて上の方で観たんですけど、ちゃんと届いているので、この調子でいけたら素晴らしいと思いますし、本当に貴重な舞台の俳優さんだと思ってますので、どんどんこれからも舞台をやってほしいです」とエール。小瀧も照れながら「やりたいです!」と宣言していた。