ミツバチは、人間と同じように「遊ぶ」行動を見せるという。ロンドン大学の研究チームが、動物行動学の学術誌「Animal Behaviour」に論文を掲載した。

  • ボールも転がす、ミツバチは人間と同じように「遊ぶ」らしい

    ミツバチは、人間と同じように遊ぶ行動を見せるらしい

同研究チームは、2017年に先行研究を行い、「報酬」である餌を受け取るために、木製のボールを転がすようにミツバチを訓練することが可能であることを示していた。その実験において、明らかに報酬や利益がない場合でも、ボールを転がすミツバチが観察されたそう。そこで本研究では、ミツバチが報酬のためではなく、つまり「遊ぶ」ためにボールを転がしたのではないかと調査した。

ただ、本当に遊んでいるのかをミツバチに聞くわけにもいかないので、その判断をするために、基本的な5つの基準を定義した。

1つ目は、食べ物を得るため、仲間を引き寄せるため、あるいは隠れ家を見つけるための行動ではないこと。2つ目は、何らかの報酬と関連するものではなく、自発的で、それ自体にやりがいのある行動であること。3つ目は、餌を探したり、交尾をしようとするときに行う行動とは異なること。4つ目は、繰り返し行うが、型にはまった行動ではないこと。5つ目は、リラックスしているときに開始される必要があること。

実際の実験では、45匹のミツバチを使い、巣箱と餌を食べるエリアがトンネルで繋がったものを用意。巣箱と餌を食べるエリアの間には、木製のボールが置かれたエリアが存在する。そのためミツバチは、まっすぐ進み、餌を食べるエリアに到達するか、脱線して木製のボールが置かれたエリアに入るかの選択肢がある。結果として、37匹のミツバチが、餌を食べた後も、ボールを転がしていたという。

  • ボールを転がして遊んでいるミツバチが、かわいい

さらに、別の42匹のミツバチを使い、今度は2つの色分けされた部屋を用意。一方は空で、もう一方には木製のボールが入っている。しばらくしてから、ボールを取り除き、どちらの部屋に行くかを観察した。すると、ミツバチはボールが置かれていた方の部屋を強く好むことが判明したという。

ボールで「遊ぶ?」ミツバチ

同研究チームは、これらの実験において、この行動は「遊び」だったと判断できる基本的な5つの基準を満たしていたと主張。「彼らは、たとえ初歩的なものであっても、実際にある種のポジティブな感情状態を経験しているのかもしれません」「この研究は、昆虫の心は我々が想像するよりもはるかに洗練されていることを強く示唆するものです」と述べている。

ネット上では「今年見た中で一番かわいい」「かわいいね」「ミツバチさん『ボールコロコロ楽しいね』」「これはとても魅力的です! そして、とても可愛いです🥰」などの声が寄せられた。