BMWは1月5日、米ラスベガスで開催中の「CES 2023」に出展し、コンセプトカー「i Vision Dee」を発表した。先進技術を取り入れ、現行車種とは異なる新たなデザイン言語を採用した未来的な中型セダンとなっている。
最大の特徴は、外装にフルカラーE Ink(電子ペーパー)を採用したことだ。同社は1年前のCES 2022でも「iX Flow Featuring E Ink」というコンセプトカーを披露しており、前回は一般的な電子書籍端末のような白黒のE Inkを使ってボディの模様を変えられる程度だったが、i Vision Deeは32色のカラー表示に進化した。ボディ全体で240のセグメントに分割されており、複数の色で塗り分けることもできる。
キャラクターラインの少ないフラットなフォルムであったり、ブランドを象徴する「キドニーグリル」が水平方向に拡大されヘッドライトと一体化したような意匠になっていたりと、エクステリアは現行の市販車よりシンプルに見える。これは「デジタルエクスペリエンスとBMWブランドのDNAに焦点を当てる」という意図で、あえて簡素化したものだという。
i Vision Deeはあくまでデザインコンセプトであり、パワートレインなどの具体的な仕様は設定されていない。フルカラーE Ink外装のほかには、フロントガラスの幅いっぱいに広がるヘッドアップディスプレイ(HUD)も目を引く。このような大型HUDは、2025年以降の市販車で実際に搭載される予定だ。