パナソニックは、米ラスベガスで開催される「CES 2023」にあわせて現地時間1月4日、4K有機ELテレビの新しいフラグシップモデル「MZ2000」を発表した。55/65/77型の3サイズで展開する。国内での発売はアナウンスされていない。

  • MZ2000

「Master OLED Ultimate」と名付けた新しいカスタムモジュールを55型と65型に搭載。同社のエンジニアが開発したマイクロレンズアレイを備えた最先端のパネルと、新しい多層熱管理構成を組み合わせたもので、2022年モデルと比べて明るさが大幅に上昇し、ピーク輝度は約150%増加。平均輝度も向上しているという。

上記の新しいモジュールと、同社の薄型テレビ用「HCX Pro AI Processor」の組み合わせで、高画質化を追求。また従来機種と同様に、Dolby Vision IQ、HDR10+ Adaptive、HLGフォトといった幅広いHDRフォーマットをサポートする。

MZ2000のカラーチューニングには、ハリウッドの著名なカラーリストであるステファン・ソネンフェルド氏(『トップガン:マーヴェリック』、『アリー/スター誕生』、『ワンダーウーマン』など)が引き続き関わっている。映画製作者の意図を忠実に再現するという「Filmmaker Mode(フィルムメーカーモード)」も強化し、周囲の色温度を検出する仕組みを同モード用にアップグレード。専用のシネマルームから“風通しの良い家族の生活空間”まで、あらゆる照明条件で正確な映像再現を保証するとのこと。

ネット動画などストリーミングサービスのコンテンツの高画質化も図っており、映像の解像度を識別して領域ごとにテクスチャーを分析、適応型の高度な処理を行う4Kリマスターアルゴリズム(Streaming 4K Remaster algorithm)を備える。

ゲームを楽しむための性能も従来機種から継承。HDMI 2.1の主要機能であるフル4K/最大120Hzの映像をサポートするほか、入力ラグを抑える超低遅延、映像のカクつきなどを抑える「VRR」もサポート。AMD Freesync Premiumに対応するほか、NVIDIA G-SYNCとの互換性も持ち、NVIDIA RTXグラフィックスカードに接続すると入力遅延とVRR設定を自動的に最適化。ティアリングやカクつきのないゲームプレイを実現する。

新たに「True Game Mode(トゥルーゲームモード)」を搭載し、HDRトーンマッピングを改善。このモードはキャリブレーション可能で、CalMAN製品を展開するPortrait Displayの業界標準カラーキャリブレーションソフトウェアで調整でき、調整後にはCalMAN Calibratedのロゴを表示。これは「真のゲームモードがゲームクリエイターのビジョンを真に再現することを意味する」とのこと。ほかにも、Dolby Vision Gamingに対応している。

さらにゲームサウンドモードも搭載し、アップグレードしたゲームコントロールボードから設定可能。ゲームの仮想世界に没入できる「RPGサウンドモード」、足音などの正確なオーディオ位置を提供する「FPSモード」が選べる。

音質面では、低音増強のアルゴリズムを強化。メニューから同機能を選ぶと、深みのある高速応答の低音が出力され、“真にダイナミックなサウンド”を楽しめるようになるという。Dolby Atmosに対応しており、スピーカーは上向きのイネーブルドスピーカーに加えて側面、前方のスピーカー ユニットを搭載。Technicsによるチューニングを施した。

サウンドフォーカスモードも利用でき、特定のひとつのポイントに向けてサウンドを届ける「ピンポイントモード」、部屋の特定のエリアにいる人々にフォーカスする「エリアモード」、特定のひとつの場所で音量を上げる「スポットモード」の3つを備えている。

スマートテレビOSの最新バージョン「my Home Screen 8.0」を搭載。主要な映像配信サービスをサポートする。myScenery機能では、世界中から収集され、Dolby Atmosでエンコードした新しい自然サウンドを提供。欧州とイギリス向けには、聴覚や視覚に障がいを持つユーザーに向けた初期設定オプションを用意するなど、アクセシビリティオプションをさらに改善した。