テレビ埼玉(テレ玉)の正月恒例特番『第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』(1月1日19:00~ ※再放送:同8日19:00~)。年々磨きがかかる出場者のユニークなパフォーマンスと、お堅いイメージの政財界人とのギャップが大きな話題を集め、今や県を越えて“埼玉の奇祭”と呼ばれるようになり、Twitterでは世界トレンドに入る盛り上がりを見せている。
マイナビニュースでは、11月26日にさいたま市文化センター大ホールで行われた収録を取材。3年ぶりの有観客開催で一層気合いの入った出場者らに本番直後に行ったインタビューを、全5回にわたりお届けする。
今回登場するのは、大トリを務めた埼玉県の大野元裕知事。苦手だという歌に大きなプレッシャーを感じながらも、コロナと闘う県民たちへの思いを込めて熱唱した――。
■当選して「おめでとう」の前に「曲決めた?」
前年はコロナ禍の閉塞した世の中で「明日があるさ」を歌い、明るい未来を願った大野知事。今回は、井上陽水奥田民生の「ありがとう」を披露し、「これが放映される翌月で、コロナが始まってまる3年になります。エッセンシャルワーカーや医療関係者や事業者の皆さんに本当にお世話になって、これから先をノーマルに戻していきたいと思っていますが、その前にやっぱり皆さんに『ありがとう』という気持ちを伝えたかったんです」と、選曲に込めた思いを説明する。
そこに、「県庁の職員の人たちが文句も言わず乗ってくれて、ワンチーム感が出たので、私はとても感動しました」といい、「みんなの気持ちを出すために、あえて1回もジョイントで練習をしなかったんです」と明かした。知事自身は、「お昼休みに30分カラオケ屋に行って練習してきました」とのことだ。
演奏は好きだが、実は歌は苦手だという大野知事。「前任の上田(清司)さんから、彼が知事で一番嫌な仕事がこれだったと聞いていました(笑)。知事に当選して、『おめでとう』の前に、上田さんにも他の何人の方にも『曲決めた?』と言われましたから」と打ち明け、大きなプレッシャーを感じながら出場していることがうかがえる。
自身の初出場の際は放送でも見たが、「娘の旦那と初めて飲んだ日で、テレビをつけた瞬間に一気に威厳がなくなりました(笑)」と、ほろ苦い思い出になった。
■政財界の潤滑油の機能も
これだけの埼玉政財界人が一堂に会するのは、貴重な機会だ。従来の会場である大宮ソニックシティ大ホールは、大部屋の控室で出場者が全員顔を合わせるため、「初めて参加される方に『頑張れー!』と声をかけるなど、一体感が出てきてとてもいい雰囲気なんです」と、コミュニケーションの場として機能している。
先日、コロナの検査キットが購入できるように日曜や祝日にも薬剤師をドラッグストアなどの店舗に配置するよう県薬剤師会に協力を求めたが、今回の出場者であるセキ薬品の関伸治会長(初出場)が、会場で「やります」と協力を申し出るやり取りもあったそうで、知事は「とても良いパターンでしたね」と、政財界の潤滑油としての役割を果たしていることに手応えを感じていた。
■「埼玉県っていろんな人たちがいるんだ」と見てほしい
そんな『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』の視聴者に向けて、「出場者の皆さんは“いい砕け方”をしてくれるし、31回出られる清水(志摩子・清水園社長)さんは、放送で登場した瞬間にTwitterで『出たーー!!』と盛り上がる存在感もありますよね。埼玉県って本当にいろんな人たちがいて楽しんでいるんだというのを、ぜひ見ていただきたいと思います」と呼びかける大野知事。
そして、県政においては、「なんとかコロナを脱却して、経済を回していくことがとても大切だと思っています。2023年には同じような波が来たとしても、行政の対応は変わってきますから」と、力強く抱負を述べた。
■『第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』出場者
1:東京ガスネットワーク(株)・細田千恵埼玉支社長【初出場】/森山直太朗「さくら(独唱)」
2:深谷市・小島進市長/ピンキーとキラーズ「恋の季節」
3:(株)埼玉りそな銀行・福岡聡社長/猿岩石「白い雲のように」
4:埼玉県議会・中屋敷慎一議長【初出場】/エスカネーチャンズ「エスカレーター乗ったら NON! NON! WALK」
5:(株)拓洋・鈴木俊一会長/鈴木俊一(オリジナル)「この愛」
6:戸田市・菅原文仁市長/サンボマスター「できっこないを やらなくちゃ」
7:宮代町・新井康之町長【初出場/町村会推薦】/松村和子「帰ってこいよ」
8:(株)サイサン・川本武彦社長/矢沢永吉「IT'S UP TO YOU!」
9:(株)セキ薬品・関伸治会長【初出場】/「マイウェイ」
10:(株)コマーム・小松君恵会長【初出場】/小松将人「ちがうから☆ワクワク」
11:桶川市・小野克典市長/MISIA「アイノカタチ」
12:(株)馬車道・木村徳治名誉会長/石原裕次郎「泣かせるぜ」
13:川口市・奥ノ木信夫市長/ザ・フォーク・クルセダーズ「若い加藤和彦のように」
14:ケアハウス和みの里・山中和子理事長/舟木一夫「高校三年生」
15:さいたま市・清水勇人市長/ダ・カーポ「野に咲く花のように」
16:(株)清水園・清水志摩子社長/「心はるかに」
17:埼玉県・大野元裕知事/井上陽水奥田民生「ありがとう」