今回は、2022年のキャッシュレスの動向を振り返りながら、2023年にどのクレジットカードを持てばお得になるのかを紹介します。
■2023年のキャッシュレスはクレジットカードに注目
<お得なキャッシュレスはスマホ決済から再びクレジットカードに>
まずは簡単に近年における、キャッシュレスのトレンドを振り返ってみましょう。
2018年頃より、PayPay 、au PAY、d払いなどさまざまなスマホ決済が登場し、PayPayの20%還元など大型キャンペーンが世間を賑わしました。
2020年から2022年にかけて、クレジットカードからスマホ決済にチャージすることで、チャージ分とスマホ決済の利用分でのポイント二重取りが注目されていました。ところが、d払いにdカードでチャージすると二重取りが出来る仕組みが2022年12月に塞がれるなど、各キャッシュレスサービスで、徐々に二重取りができなくなりつつあります。
2022年は、クレジットカード単体としても、またスマホ決済と組み合わせてもお得なクレジットカードが登場し、再びクレジットカードへの注目度が上がってきています。
<場所や使い方で高還元率になるカードが主流に>
クレジットカードは長らく、高還元率カードを一枚持っていれば十分という時代が続きました。しかし、2023年は、どこでも高還元というのではなく、特定の店舗やシーンで高還元率が受けられるクレジットカードが主流になってきています。例えば、三井住友カード(NL)などは、通常還元率こそ0.5%と標準的ですが、対象のコンビニ・飲食店限定で5%還元といった特徴があります。
以前であればクレジットカードを使い分けるには、カードを複数枚財布に入れて財布が膨らんで煩わしいイメージがありましたが、Apple PayやGoogle Payの登場により、最近ではスマホに集約することで複数枚のカードを気軽に持ち歩くことができるようになりました。リアルカードを持ち歩かなくても、複数のカードを使い分けすることが容易となっている点はユーザーにとって大きな利点ともいえます。
<使い分けのポイントは年間利用額が100万円>
今回おすすめのカードを紹介するにあたり、年間利用額が100万円あるかを基準として、おすすめのカードを紹介します。カードの種類によって、年間100万円の利用で追加の特典や年会費無料などの条件を得られるカードが登場しています。
■年間利用額が100万円未満でお得に使えるカード
<Visa LINE Payクレジットカード(P+)>
Visa LINE Payクレジットカードの新しいラインナップとして登場したのが『Visa LINE Payクレジットカード(P+)』(P+の読み方はポイントプラス、略称LINEクレカ(P+))です。
LINEクレカ(P+)は、LINE Payのチャージ&ペイとしてコード支払いすると5%還元(上限500ポイント)が得られます。チャージ&ペイとは 、LINE PayにLINEクレカなど特定のクレカを紐付けることで、チャージ不要で支払う方法です。LINE PayとPayPayは相互利用が進んでいるので 、幅広い業種や店舗で5%還元が得られることになります。LINEクレカ(P+)はVisa、iDでの通常還元率は0.5%なので、上限に達する1万円の利用までLINE Payで支払う使い方がおすすめです。
※LINE Payのオンライン支払い、請求書払いは5%還元の対象外です。
年会費:永年無料
<セゾン・パール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード>
『セゾンパール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード』は、QUICPayで支払うと2%還元が得られるカード。年間合計30万円(税込)に達する引落月までが対象となりますが、QUICPay自体がスーパーやコンビニ、ファミレスなどで広く普及した決済方法なので、他の支払手段で高還元率が得られないときにも活躍します。セゾン・アメリカン・エキスプレス(R)・カード会員限定で不定期に開催されるキャッシュバックキャンペーンもかなりお得なので、忘れずにエントリーしましょう。
年会費:無料
※前年に1円以上のカードご利用で翌年度も無料
※前年にカードのご利用がない場合、翌年度年会費1,100円(税込)
<三井住友カード(NL)>
2022年に雑誌やメディアで多く取り上げられたクレジットカードの一つが『三井住友カード(NL)』。特に注目したいのは、対象のコンビニ・飲食店でVisaのタッチ決済、Mastercard(R)コンタクトレスで支払うと最大5%還元となる点です。セブン-イレブン、マクドナルド、ドトールコーヒーなど、日常的に使いやすい店舗で最大5%還元が得られます。
年会費無料のクレジットカードで、券面に番号が印字されていないナンバーレスカードとなっています。こちらもApple Payなどのスマホに登録すれば、プラスチックカードを持ち歩く手間はありません。
年会費:永年無料
■年間利用額が100万円以上でお得に使えるカード
年間100万円以上を決済することで、追加で特典を得ることができるカードに注目です。
<三井住友カード ゴールド(NL)>
『三井住友カード ゴールド(NL)』は、通常還元率は0.5%、年会費5,500円(税込)と、これだけ聞けば平凡なスペックですが、年間利用額が100万円を超えると特典が大幅にアップするカードです。特典の一つ目が年間100万円を利用すると、翌年以降の年会費が永年無料となります。一度でも条件を達成すれば、その先もゴールドカードを無料で持てるというのは非常に魅力的です。
二つ目が年間100万円を利用すると、10,000ポイント(10,000円相当、還元率にすると1.0%)のVポイントが得られます。通常還元率の0.5%と合わせると、合計1.5%の高還元率カードとなります。
注意点としては、200万円以上使っても追加の特典はありませんので、年間100万円に近い利用がおすすめです。
三井住友カード ゴールド(NL)の隠れたもうひとつの魅力は、SBI証券で投資信託を積立購入すると、1%の還元が得られる点でしょう。月上限50,000円の購入までが対象なので、これだけで月500ポイント、年間6000ポイントが得られます。ただし、三井住友カードつみたて投資分は、先程の年間100万円の集計対象には含まれません。還元の適用にも条件がありますので、事前に確認するようにしましょう。
年会費:5,500円(税込)
※年間100万円のご利用で翌年以降の年会費永年無料
<エポスゴールドカード>
『エポスゴールドカード』自体は以前から人気のあるカードですが、2023年に改めて評価したいカードです。エポスゴールドカードの通常還元率は0.5%ですが、年間利用額が50万円で2,500ポイント、100万円で10,000ポイントが追加で得られます。100万円使った際の特典ポイントを加えると還元率は合計1.5%となり、一転して優秀なカードに生まれ変わります。
エポスゴールドカードでは、もう一つ注目したいのが、「選べるポイントアップショップ 」で指定した3つのショップで還元率が1.5%になるという特典。この対象ショップの中で「モバイルスイカ」を選ぶことができるため、モバイルSuicaへのチャージでも1.5%還元になります。
年会費 :5,000円(税込)
※エポスカードからのインビテーションで永年無料
※年間利用額50万円以上で翌年以降永年無料
■2023年に注目したい新カード
<メルカード>
2022年11月にメルカリから新たに『メルカード』が登場しました。メルカードは、メルカリでの還元率が最大4%、メルカリ以外通常還元率も1%とスペックの高いカードです。メルカリでの還元率は利用実績をもとに最初の還元率が決まり、メルカリの利用実績に応じて利用限度額や還元率が変化する仕組みです。
さらに毎月8日には、事前にエントリーすることで、決済金額の8%(上限300ポイント)が還元されます。これは、メルカリとメルカリ以外の両方の買い物が対象なので、幅広く使いやすい特典です。メルカードはメルカリで売ったり、買ったりする機会が多い方にはメルカリ専用でも持つ価値があるカードです。
年会費:無料
<PayPayカード ゴールド>
PayPayカードの上位カードとして、『PayPayカード ゴールド』が2022年11月に登場しました。PayPayカード ゴールドはソフトバンクの通信料などで10%還元となります。これまで、通信料の支払いでは、ドコモではdカードGOLDで最大10%還元 、auではau PAY ゴールドカードで最大11%還元がありましたが、PayPayカード ゴールドの登場で大手通信キャリアの高還元カードが出揃った形になります。
また、スマホ決済の利用としても、PayPayにPayPayカード ゴールドを紐付けて、PayPayあと払いに設定することで、還元率が+0.5%上乗せされ、PayPayの最終還元率が最大2%となります。
年会費:11,000円(税込)
■2023年もキャッシュレスの動向に注目
2022年には、VポイントとTポイントのポイント事業が統合されると発表され 、話題となりました。具体的な統合の内容は発表されていませんが、7000万人の会員を抱えるTポイントと5200万人を抱えるSMBCグループの統合は、インパクトが大きく、今後発表される新サービスにも注目したいところ。
また、最近はPayPayやLINE Pay、メルカリなど、自社サービスで使うと高還元率になるクレジットカードが登場しています。2023年も、各サービスでお得になるクレジットカードからますます目が離せません。
※この記事の情報は2022年12月時点のもので、変更される可能性があります。サービスを利用される際は十分にご注意ください
※画像はプレスリリースより引用