レクサスは新型「レクサス」の販売で新規客のみを対象とする500台の抽選を実施したが、その理由とは。先代RXには3列シート、7人乗り仕様があったが、新型に設定していないのはなぜなのか。新型RXの気になる点についてレクサスに直接聞いてみた。
なぜ抽選販売?
レクサスは新型RXに「はじめてLEXUS車の購入をご検討されているお客様」のみを対象とする抽選販売枠を設定。12月22日に申し込みの受け付けを締め切った。一般販売のほかに、あえて抽選販売枠を確保した理由とは。新規客に優先的にクルマを供給し、ファンの拡大を図りたい考えなのだろうか。
レクサス広報によると、「新規客を優先しているわけではないんですが、一般販売は従来型RXのオーナー様とか、レクサスのことをよくご存じのお客様からのオーダーが多くなるのは確かです。今は半導体不足などの影響により、そうしたロイヤルユーザーの皆さまに対しても、十分な量のクルマを供給するのが難しい状況です」とのこと。一般販売のみだとロイヤルユーザーからの注文で生産予定台数の大半が売れてしまうため、「今までレクサスに乗ったことはないけれど、新型RXには興味がある」といったような新規客と商談できなくなってしまう。「それは心苦しいので」ということで、新規客限定の抽選販売を実施することにしたそうだ。
新型「NX」や新型「LX」では生産が制限される中で受注が多く入った影響で、納期が長引いた。この反省を踏まえ、レクサスでは現在、生産計画をしっかりと把握したうえで販売店に供給できる台数を知らせ、納車可能な台数以上の受注は取らないような販売体制にしているとのこと。新型RXの販売台数も限られるため、一般販売のみだと新規客の手にクルマがわたらないか、わたったとしても極めて少ない台数になってしまう可能性があった。そのため、わざわざ抽選販売枠を設けたのだという。
なぜ3列シート仕様がない?
従来型のRXには3列シート7人乗り仕様の「RX450hL」というグレードがあったが、新型ではなくなっている。この点についてレクサス広報からは、「現在RXをご愛顧いただいているお客様のニーズや市場環境に鑑みて総合的に判断し、ご好評をいただいているパッケージングやサイズ・使用用途に加え、新型で目指した走行性能を追求すべく、2列シートのみの採用としました」との回答があった。RX450hLは従来型より長いボディにして3列目を用意していたが、当然ながらボディを伸ばせば走りに影響が出る。「走って楽しいクルマ」を目指した新型RXには、3列シート仕様車はそぐわなかったのかもしれない。
ウインカーの光り方、変わった?
もうひとつ、新型RXに試乗しているときに気が付いたのだが、このクルマではウインカー(ターンランプ)が普通にチカチカと点滅するタイプになっていた。レクサス車といえば曲がる方向に向かって光が流れていく「シーケンシャルターンランプ」を使っていたイメージだったのだが、実は新型NXからチカチカ光るタイプに切り替えていたそうだ。
理由としては「世の中のいろいろなクルマが(シーケンシャルを)やりだしていて、それがアイデンティティに寄与するものでもなくなっていますし、それで表現しなくてもDRL(デイタイムランニングライト)やリアの一文字ランプなどでレクサスらしさは表現できるかなと思いまして」とのことだった。