日本トレンドリサーチ(運営会社:NEXER)は、斎奉閣・家族葬会館 和ごころ(三重平安閣)と共同で「終活」に関するアンケートを実施した。

  • 終活、考えていますか?

“終活"と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれないが、実際に“終活"をしている人はどのようなことをしているのだろうか。また、“終活"をすることで気持ちはどのように変化するのだろう。同調査は2022年12月5日〜12月9日、60歳以上の男女928人を対象にインターネット調査にて実施した。

  • 62%が、将来的には「終活をするつもり」

まずは、60歳以上の男女928人に、「終活」をしているかについて聞いた。すでに「終活をしている」という人は15.1%、「将来的には終活をするつもり」という人が62%という結果となった。

この結果からも「終活」が当たり前になりつつあると思われるが、すでに終活をしている人は何歳頃から始めていて、なぜ終活をしようと思ったのだろうか。

■終活を始めた年齢と始めた理由

始めた年齢 始めた理由(年代・性別)
60歳     元気なうちにやっておき、子供に迷惑をかけたくない(60代・男性)
60歳     子供に負担をかけたくない。すっきりした気分でシニアの日々を過ごしたい(60代・女性)
60歳     実母との別れが突然だったもので、人間、いつ亡くなるかわからないため、備えとして終活も必要かなと思いました。(60代・女性)
60歳     残された者が困らないよう不用品を処分している。(60代・女性)
60歳     息子の結婚が近づき若夫婦と同居することになっているので、信頼する二人にこれを機会に大事なことをまとめてエンディングノートにすることを決めた(60代・女性)
69歳     5年間の間に極めて珍しい病気に2回も罹患して手術したので万一に備えて始めた。(70代・男性)
70歳     70歳過ぎて始めた「断捨離や遺言状作成」が終活になっています(70代・男性)

子どもたちなどに負担をかけたくないからや、実母との別れがきっかけで準備することにしたという人もいるようです。

次に、「終活」として、実際にはどのようなことをしているかについても聞いた。

「終活」としてどのようなことをしているか

・「要らないものは破棄したり、葬式代や諸々に掛かるお金を世話になる者に遺そうと貯めて用意している」(60代・女性)
・「連絡してほしい人の情報など、それと私とその人の関係性とかを書いたりです」(60代・女性)
・「資産の洗い出しと遺言状の作成と終活にあたっての意向と基本的な考えをまとめた作文」(70代・男性)
・「エンジングノートにすべて書き込みをしている」(70代・女性)
・「銀行口座や証券会社の暗証番号とパスワードを書いて保存した」(70代・男性)
・「お墓の事や自分の葬儀などについてエンデイングノートに自分の思いを記入した」(70代・男性)
・「少ない財産を纏めて置く。負債の有無を明確しておく。家にある、家屋・家財・書籍・飾り物・衣服等の整理と、処分について長男に依頼する。病気になった時の治療についてメモを残す。死亡通知の連絡先一覧を作成しておく。銀行・証券会社・郵便貯金の事について、担当者、通帳の保管場所、銀行印保管場所を明確にしておく。形見分けの一覧表を作成しておく」(80代・男性)
・「人にあげられそうなものはあげて家の中の容積を減らして居る」(80代・男性)

必要な情報や自らの思いなどを「エンディングノート」に書き記している人が多いようだ。

続いて、「将来的には終活をするつもり」と回答した62%の人に、何歳頃から「終活」を始めようと思っているかについてと、「終活」として何をしようと思っているかについても聞いた。

■終活を始めようと思う年齢としようと思っていること

始めようと思う年齢 しようと思っていること(年齢・性別)
65歳     デジタル遺産について、整理しておきたい(60歳・女性)
65歳     これまでお世話になった人への感謝の気持ちを整理する(63歳・男性)
78歳頃    子供たちに不要な物を残したくない、いらないものはすべて捨てることにしている。(70歳・男性)
75歳     遺産の処理、葬式の希望などについてのエンディングノートを作成します(70歳・男性)
75歳     身の回りの整理、資産の確認、今後の生活方針とどのように生きていくかを考えたい。後は、断捨離を思い切って進める。(73歳・男性)
80歳     残しておいても迷惑になるものを処分して、葬式は身内だけの簡素なものにして、なるべく金をかけないようにと遺言を書いておく!(76歳・男性)

「これまでお世話になった人への感謝の気持ちを整理」や、「エンディングノート作成」などをしようと思っている人がいた。多くの人が今後数年以内ほどで「終活」を始めようと思っているようだ。

  • 67.9%が、終活をすることは充実した人生を送るために必要なことだと「思う」

最後に、「終活」は充実した人生を送るために必要なことだと思うかについて聞いたところ、67.9%が「思う」と回答した。

それぞれの回答をした人に、その回答の理由についても聞いている。

充実した人生を送るために「終活」は必要なことだと思う理由

・「不意のトラブルで他界する可能性が年齢的に高くなれば尚更の事自分の死後の事はキチンと決めて置く必要があり、充実した人生と呼ぶに相応しいものにする為にも終活は重要と考えます」(60代・男性)
・「いつ人生が終わっても、今までの言葉を思い出す良い機会だし、後の者に負担をかけないように」(60代・女性)
・「やはり自分が生きてきた反省や 子供に伝えたいことや残したいものなどをしっかりわかるようにしておくことが残されたものには大切でしょう」(80代・女性)
・「後顧の憂いをなくすためにも必要だと思うし、自分の人生に合っていると思う」(60代・男性)
・「悔いや、残された人に面倒掛けなくて済むようにすれば気持ちが安心していけると思う」(60代・男性)
・「これからの人生を不安に思わずに、より充実した人生生活を送れるように前向きに取り組めると思っています」(70代・男性)
・「できればゴールも自分らしくありたいと思うから」(90代・女性)

今回は、終活に関する調査を行い、その結果について紹介している。

60歳以上の男女928人のうち15.1%が、「すでに終活をしている」と回答した。また、62%は「将来的には終活をするつもり」と回答しており、終活をするのは当たり前のことになりつつあるようだ。

終活の内容としては、必要な情報や自らの思いなどを「エンディングノート」に書き記している人が多くいた。終活をすることは充実した人生を送るために必要なことだと「思う」と回答した人も67.9%と多い。

同社では、「“終活"というのは今後の人生を前向きに生きるために重要な活動なのかもしれません」と結んでいる。