今回は、ビックカメラ有楽町店に電動アシスト自転車の売れ筋を取材しました。
同店の自転車売り場では、電動アシストタイプの売れ行きが全体の6~7割を占めるそうです。スポーツコーナーを担当する久保田一也氏は「買い物や子ども乗せ、通勤通学用にと、幅広く買われています。子ども用自転車以外のカテゴリーは電動アシストが主流となっていますね」と話していました。
さまざまなモノの物価高騰は、電動アシスト自転車も無関係ではありません。そうした変化が起きるなかで、どんなモデルが売れ筋となっているのでしょうか。「電動アシスト自転車選びの3ポイント」を踏まえて、トップ5を追いかけていきましょう。
<電動アシスト自転車選びの3ポイント>
- 最適なモデルを見つける最短距離は、メインの用途を定めたうえで1週間の使用時間を念頭に置くこと。
- 堅牢さと使用時間の長さを重視すると、重量が大きくなりがち。自分なりのバランスを探るのも大切。
- あとは、実機にまたがってハンドルの位置なども身体で体験したうえで最終決定を下すのがベター。
※本文と写真で掲載している価格は、2022年11月24日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:8.9Ahで89,800円の「PAS Cheer」
一番人気に挙げられたのは、ヤマハ発動機の「PAS Cheer 22PA26CH」でした。バッテリー容量は8.9Ahで、車輪径は26インチ。総重量が26.1kgとなります。取材時の価格は89,800円でした。
「初めての電動アシスト自転車に選ぶ方が多い入門機的なモデルですね。ジャンル全体の価格が値上がり傾向にあるなかで、この値段を維持していることもあって、特に夏ごろによく売れました。バッテリー容量は控えめながら、一般的な車輪サイズで軽く、バランスが取れているのが魅力ですね」
第2位:こちらも9万円切り、ファッションモデル「SW」
続く2位は、パナソニックのファッションモデル「SW BE-1ELSW013」でした。8.0Ahのバッテリーを搭載し、車輪径は前後ともに20インチとなります。全重量は20.9kgで、取材時の価格は89,800円でした。
「価格的にもPAS Cheerのライバルですね。こちらはハンドルからサドルまでの距離が長く、ゆとりをもって乗れる点を重視する人によく売れています。後ろにカゴ乗せがなく、より軽量な電動アシスト自転車を求める人にも人気です」
第3位:買い物自転車の定番「ビビ・DX」
3位は、パナソニックの買い物向けモデルの26インチタイプ「ビビ・DX BE-FD631」がランクインしました。16.0Ahのバッテリーを積み、重量は28.0kgとなります。取材時の価格は132,800円でした。
「ホイールがアルミではなくステンレス製でさびにくく頑丈です。バッテリー容量も大きく、重さと価格は一段上がりますが、頑丈で長くアシストしてくれるのが強みですね。スカートをはいていてもまたがりやすいデザインで、女性を中心に20代から40代の方によく売れています」
第4位:通勤通学向けの定番「ティモ・S」
通勤通学向けの定番となっているのが、4位に入ったパナソニックの「ティモ・S BE-FTS631」です。こちらも26インチ径で、バッテリー容量は16.0Ah。重量は27.4kgとなり、取材時の価格は141,800円でした。
「週4~5日使われることを想定して、マウンテンバイク並みに太いタイヤが使われています。カゴもビジネスバックが入れられる横長タイプが付いていて、ハンドルがフラット。男女ともによく選ばれるモデルですね」
第5位:子乗せタイプの定番「ビッケ モブ dd」
5位には、子ども乗せタイプの定番シリーズが入りました。ブリヂストンサイクルの「ビッケ モブ dd」で、取材時の価格は169,800円。前24インチ、後ろ20インチの構成となり、14.3Ahのバッテリーを積んでいます。後部チャイルドシート込みの重量は33.5kgです。
「荷重が大きい子乗せタイプということで、フレームの強さはトップ5のなかで一番ですね。チェーンもゴムとカーボンを合成した伸びにくいタイプで長持ちします。モーターが前車輪に付いていて、ブレーキをかけたときなどに走りながら充電できるのも魅力で、安定した人気がありますね」
はみ出し情報・・・電動キックボードの人気も上昇中
自転車売り場の一角には電動キックボードコーナーがあり、こちらも注目度が急上昇しているといいます。「20代から60代までの男性を中心に盛り上がっていますね。原付の代わりに、折りたためるコンパクトな足を求める人に刺さっています」
取り扱うモデルは、いずれも売れ行きが好調とのこと。売り場には、SWALLOWから登場した13.0Ahバッテリー搭載の「ZERO9」や、Ninebotの10インチタイヤと15.3Ahバッテリー搭載モデル「J-MAX」、FUGU INNOVATIONS JAPANの低価格モデル「Meister F」などが並んでいました。取材時の価格は順に158,600円と148,500円、65,780円でした。
久保田氏は「たたんで家に置けるから盗難に遭いにくい、という点も評価されていますね」と話していました。なお、現行法ではナンバープレートの取得やヘルメットの着用、自賠責保険への加入が必須となります。