ソニー・ミュージックレーベルズは、宇多田ヒカルの配信イベント「40代はいろいろ♫」(2023年1月19日21時〜)を、ソニー独自の立体音楽体験「360 Reality Audio」で世界初リアルタイム配信する。
同日に満40歳を迎える宇多田ヒカルの“10年周期の例のゆるーいスペシャルプログラム笑”。配信イベントは無料で聴取できるが、360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ、以下360RA)で楽しむには抽選への応募が必要。当選者1万人限定となる。視聴には「360 Reality Audio Live」アプリをインストールしたスマートフォン/タブレットとヘッドホンが必要。360RA配信とは別に、2chのステレオ配信も実施する。イベントハッシュタグは「#40iroiro」。
いずれも特設サイトからの申込みと、オンラインライブ配信サービス「Stagecrowd」(ステージクラウド)のアカウントが必要。申込期間は、360RA配信が1月10日23時59分まで、ステレオ配信が1月19日19時30分まで。360RA配信の抽選結果については、1月12日12時に当選者へメール送付を予定している。
宇多田ヒカルへの質問・メッセージも募集中。宇多田ヒカルSTAFFのTwitterアカウント(@hikki_staff )をフォローし、ハッシュタグ「#宇多田ヒカル」と「#40iroiro」をつけてメッセージを投稿すると応募完了となる。応募者の中から抽選で200人に「40代はいろいろ♫」トレーナーをプレゼントする。
360 Reality Audioによる世界初リアルタイム配信の詳細
ソニーは世界で初めて、フルオブジェクトベースの立体音響技術によるライブのリアルタイム配信を実現。立体的な音場に没入できる音楽体験、360 Reality Audioの対応範囲を広げていく。リアルタイムに配信するライブの第一弾として宇多田ヒカルの配信イベント「40代はいろいろ♫」に採用されたかたちだ。
音楽ライブのオンライン配信では、“臨場感”の実現が課題となっている。ソニーでは360RAの立体的な音と映像のリアルタイム配信を可能にし、音楽ライブやコンサートを会場で楽しむようなリアリティを、その場にいなくても同時進行で体験できるとする。
リアルタイム配信のために、新たに360RA制作ツールを開発し、サウンドエンジニアの制作環境を整備。このツールにより、エンジニアは音源を自由かつ即座に配置でき、意図通りの立体感のある音づくりを実現する。
音楽をサーバーに送信してユーザーに届けるために、位置情報を含めた音声データを一度エンコード(圧縮)するプロセスがあるが、高音質を保つためには一定の処理時間がかかる。
そこで、ライブ配信に重要なリアルタイム性の実現のため、ソニーは独自の音質処理アルゴリズムを開発。さらに360RAがオブジェクトベースの立体音響技術である点を生かし、各音源(オブジェクト)に与えられる情報量(ビットレート)を自動的に最適化することで、聴覚上の品質を損なわずに、短時間の音声データの圧縮により映像と同期したリアルタイムでの配信を可能にしている。
ユーザーが360RAのリアルタイム配信を視聴するための、iOS/Android用「360 Reality Audio Live」(サンロクマル・リアリティオーディオ・ライブ)アプリをソニーと米Streamsoftが共同開発。アプリと手持ちのヘッドホンで360RAの技術を活用した音楽ライブエンタメを楽しめるようにした。
360RAを楽しむヘッドホンは、メーカーを問わずすべて使えるが、ソニーやオーディオテクニカの360 Reality Audio認定ヘッドフォンであれば、専用アプリの個人最適化機能を活用して、さらにリアルな臨場感を体験できるとのこと。
なお、同アプリにはリアルタイムチャット機能を搭載しており、アーティストと視聴者、視聴者同士によるリアルタイムのコミュニケーションが可能。オンラインでも会場で参加しているような一体感を追求している。
ソニーは今後、音楽業界の関係者と連携しながら、360RAによるライブのリアルタイム配信の事業化を推進。立体的な音楽体験が可能な配信サービスの拡大を図っていく。