長い歴史を持つオートバイブランドのロイヤルエンフィールドがカスタム車・バイクの祭典「ヨコハマホットロッドカスタムショー2022」(パシフィコ横浜で12月4日に開催)に初登場だ。展示した3台のカスタム車両は、いずれも独特な魅力を放つ個性的なバイクだった。
ロイヤルエンフィールドのHPによれば、同社は1901年に世界最初のバイクを作った世界最古のオートバイブランドであるとのこと。これまでに数多くのカスタムバイクを製作してきており、以前からヨコハマホットロッドカスタムショーへの出展の機会をうかがっていたそうだ。
展示したのは「コンチネンタルGT650」をベースにカスタムビルダーが手がけた2台と、アメリカのフラットトラック選手権である「AFT」(アメリカン・フラット・トラック)で2勝しているファクトリーマシン1台の計3台だ。
もともと同社のバイクは、電子デバイスを使っていないなどシンプルな構成となっていて、カスタム車両のベースとして非常に使いやすいとビルダーからは評判が高いという。
ビルダーに聞く「Midas Royale」の魅力
最初に紹介するのは、台湾を拠点に世界中のカスタムシーンで活動するRough Crafts(ラフ クラフト)が手がけた「Midas Royale」(ミダス ロイヤル)だ。コンチネンタルGT650の市販モデル発表と同時に公開となったカスタム車である。
具体的なカスタム内容としては、リアサスペンションをモノコック化するとともに、前後に高性能なサスペンションユニットを採用するなど足回りを強化している。
外装も新たに作り直している。会場でRough Craftsのオーナー兼デザイナーのウィンストン・イェーさんに話を聞いたところ、フロント周りをコンパクトに作りたいと考え、フロントカウルとタンクに一体感のあるデザインを採用しているそうだ。印象的なエキゾーストパイプのラインは、同氏のお気に入りだというクランクケースの形を強調できるよう作り込んだとのこと。
「鉄の美しさ」あふれる「KAMARA」
続いてはアメリカ・ラスベガスを拠点に活動するSosa Metalworks(ソーサ メタルワークス)が手がけた「KAMALA」(カマラ)というモデルだ。
2012年設立のSosa Metalworksは金属加工が得意なビルダーで、もともとは四輪カスタムの世界で技術を磨いてきたという。
KAMALAのクロモリ銅菅のフレーム、ガーダーフォーク、外装類はすべてクリスティアン・ソーサによるハンドメイド。むき出しの金属による圧倒的な存在感は、まさに「鉄のアート」と呼ぶにふさわしい。
レースでも実績を上げるワークスマシン
最後に紹介するのがロイヤルエンフィールドのワークスマシンとなる「TWIN FT」だ。
外装を手がけたのはイギリスにあるロイヤルエンフィールドのテクニカルセンター。フレームや足回りのセットアップは、ロイヤルエンフィールド傘下のハリス パフォーマンスが担当した。
エンジンは「INT650」が搭載する650ccのパラレルツイン・エンジンがベース。これを750ccにボアアップしたものを使っている。最高出力はノーマルの45馬力から約90馬力にまで引き上げてある。
今回、ヨコハマホットロッドカスタムショーに初出展を果たしたロイヤルエンフィールドだが、今後も日本のイベントには積極的に参加していきたいとのことだった。