クリスマスが近づき、各地の繁華街はクリスマスイルミネーションできれいに彩られています。近ごろのスマホカメラは優秀なので、サッとシャッターを切るだけで誰でも失敗せずに撮れます。ただ、イルミネーションに囲まれている時に「きれい!」と感じたのと比べ、撮れた写真はどこか地味…と感じる人もいるのでは?

ちょっとした工夫をすれば、イルミネーションがより印象的に撮影できます。今回は、大画面のiPhone 14 Plusを使い、ちょっと目を引くイルミネーション撮影をしてみました。

  • 6.7インチの大画面パネルを搭載し、撮影した写真も大迫力で楽しめる「iPhone 14 Plus」。フォトニックエンジンなどの高画質化処理技術は上位のiPhone 14 Proシリーズと同じで、カメラ機能の実力は高い。SIMフリー版の価格は134,800円~

「AE/AFロック」であえてピンボケにする

iPhoneカメラのオートフォーカス機能は優秀なので、ピントがしっかり合った写真が撮影できます。しかし、イルミネーションの撮影では、木の枝や葉、イルミネーションの配線、周囲の建物もしっかり描写されるため、バチピンの写真はゴチャゴチャした印象になってしまいます。

  • 普通に撮影した写真。ピントが合った木々の葉やイルミネーションの配線、周囲のビル、クルマなどがうるさい印象で、肝心のイルミネーションが引き立っていない

そこでおすすめなのが、「AE/AFロック」機能を利用して、あえてピントを外した“ピンボケ”の状態で撮ること。自分の前に手をかざし、手の部分を長押しするとAE/AFロック機能が働き、ピントがその位置で固定されます。その状態でiPhoneをイルミネーションに向ければ、ピントが外れた状態の写真が撮れます。イルミネーションは大きな丸いボケで描写され、配線などの不要な要素は溶けるような描写になって目立たなくなり、幻想的な仕上がりになります。

  • 近くに構えた手などにAE/AFロックでピントを固定し、風景にカメラを向けて撮影する

  • 豪快なピンボケ写真となるが、ビルの灯りやクルマのヘッドライトもイルミネーションのような点光源で表現され、幻想的な仕上がりになる。画像処理ではなく光学的にボケが表現されているので、1つ1つのボケにも味がある

AE/AFロック時にかざした手とiPhoneの距離に応じてボケの大きさが変わり、手を近くでかざした場合はボケが大きく、遠くでかざすとボケが小さくなります。

「ライブフォト」で走るクルマを消す

イルミネーションの人気スポットが大通り沿いの場合、道を走るクルマが写り込んで雰囲気が台なし…ということがあります。そのような場合に活用したいのが「Live Photos」(ライブフォト)です。

  • 大通り沿いのイルミネーションは、どうしてもクルマが写り込んでしまう

ライブフォトといえば、写真とともにショートムービーを記録する機能で、撮影時の雰囲気を残してくれます。このショートムービーの情報をうまく活用することで、クルマなどがうまく消せる場合があるのです。

ライブフォトを有効にして撮影した写真を表示し、左上にある「Live」のアイコンをタップすると5つの項目が現れるので、そのなかから「長時間露光」をタップします。すると、クルマなど動きのある被写体が流れるような表現になり、目立ちにくくなります。

  • ライブフォトで撮影し、「長時間露光」を選択する

  • すると、走行していたクルマが流れるような表現になり、かなり目立ちにくくなった

立ち止まっている人物など被写体の動きが少ない場合はうまくいきませんが、被写体の動きが速いほど目立ちにくくなるので、交通量の多い道路沿いの撮影では試してみる価値があります。

「露出補正」で周囲の建物や葉を目立たなくする

イルミネーションを撮影すると、周囲の建物や木々の葉がやたら目立ってしまい、肝心のイルミネーションが埋もれてしまうことがあります。その場合、全体の明るさを暗くする「露出補正」機能を使い、周囲の目障りな被写体を暗くして目立たなくしてみましょう。

  • 普通に撮影すると、周囲の建物や木々の葉が目立ってしまい、イルミネーションの印象が薄らいでしまう

  • 露出補正でマイナス補正をすると、建物や葉が暗く沈み、ひときわ明るいイルミネーションだけが残る

撮影時、画面を長めにタップすると黄色い枠が現れ、指を離すと右側に露出補正用のバーが登場します。上にスワイプすると明るく(プラス補正)、下にスワイプすると暗く(マイナス補正)なるので、ググっとマイナス補正してみましょう。周囲の建物や葉が暗く目立たなくなるようにマイナス補正しても、ひときわ明るいイルミネーションのライトはそこまで暗くなりません。

水面に反射した幻想的な写真は「雨の日」にしか撮れない

「イルミネーションを撮影しに行こうと思ったのに、今日は雨だ…」とガッカリする必要はありません。雨の日にしか撮れない写真を撮りに行きましょう。

雨が降って地面にたまった水たまりに周囲のイルミネーションがきれいに反射するので、まるでイルミネーションが倍になったかのように華やかに写せます。イルミネーションだけでなく、ライトアップされた建物もグンと見栄えがします。腰をかがめて低い位置から撮影するなど、反射の状況を確認しながらアングルを工夫して撮影してみましょう。

  • ライトアップされた建物が水たまりに反射し、画面全体が華やかな印象に。雨の日にしか撮影できない特別なごほうびだ。水が地面にしみこみにくく水たまりができやすい、ふだんならやっかいに感じる場所がベスト

iPhone 14 Plusは防水設計なので、雨が降るなかでも破損を気にせず撮影できます。カメラを取り出せない場面でも、iPhoneならば撮影に臨めます。

  • ちょっとしたテクニックで美しいイルミネーションをより印象的に撮影してみよう