MM総研は12月21日、5Gスマートフォン利用者を対象に実施した「スマートフォンの利用場所と5G 通信の対応状況調査」の結果を発表した。

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この調査は、2022年7月に実施。5Gスマートフォンを利用している場所と、5G通信に対応していると体感できる場所を調査したものだ。

5Gを体感できるのは「駅」「職場・学校」「移動中の車の中」「自宅」など

さまざまな場所で5Gスマートフォンを利用しているかと、その場所で5G通信を体感できているか、およびその比率をまとめたのが次のグラフ。

  • グラフ:5Gスマートフォンの利用場所と5G体感率の比較(複数回答)

    5Gスマートフォンの利用場所と5G体感率の比較(複数回答)

自宅で5Gスマートフォンを使う人は多いが、5Gを体感しているのはその半分。5G体感率では、「駅」が利用者の81.8%と圧倒的な体感率となっている。このほかで5G体感率が半分を超えているのは、「職場・学校」(54.7%)、「移動中の車の中」(51.2%)、そして前述の「自宅」(50.7%)となった。

「山や海などのアウトドア」は体感率が18.0%と低いが、そもそも5Gスマートフォンの利用場所として挙げた人が10.8%と低く、想定どおりといってよさそう。このほか、「イベント会場、スタジアムなど」「公園」も5Gスマートフォンの利用がさほど多くない場所となっている。イベント会場やスタジアムは各キャリアが通信環境の整備に力を入れており、5G体感率は42.6%と決して低くない数字になっている。

「スーパー・ショッピングセンター」は利用場所として挙げた人が37.9%で、5G体感率は45.1%。「移動中の電車・バスの中」は利用場所41.3%、5G体感率19.5%。駅に次ぐ公共スペースとして、こういった商業施設・公共交通機関での5G通信環境整備が次の課題となってくるだろう。

公共交通機関での5G体感率は人口規模によって大きな差が

先の設問の「スマートフォンの利用場所」の回答を、居住都道府県の人口規模が200万人以上であるか200万人未満であるかによって分けたのが次のグラフ。

  • グラフ:都道府県の人口規模別×スマートフォンの利用場所(複数回答)

    都道府県の人口規模別×スマートフォンの利用場所(複数回答)

当然といえば当然だが、「移動中の電車・バスの中」「駅」の2項目は圧倒的に人口規模が大きい都道府県で大きく、「移動中の車の中」のみが人口規模の小さい県で高いという結果になっている。ふだんの生活で公共交通機関を利用するか自家用車を利用するかが明確にあらわれている。

次のグラフは、同じく「5Gを体感するエリア」の回答を居住都道府県の人口規模によって分けたもの。

  • グラフ:都道府県の人口規模別×5G体感エリア(複数回答)

    都道府県の人口規模別×5G体感エリア(複数回答)

「移動中の電車・バスの中」「駅」で大きな差が出ているのは「スマートフォンの利用場所」の場合と同様。都市部では公共交通機関の5G整備が進んでいるが、地方ではまだまだということになるだろうか。「自宅」「職場・学校」でも、人口規模の大きい都道府県のほうがはっきりと高い比率になっており、そもそもの地域全体の5G対応の進み具合に差があることがうかがえる。

一方で、「移動中の車の中」だけでなく、「スーパー・ショッピングセンター」で人口規模の小さい都道府県のほうが高い値になっているのは意外なところ。非都市部では、商業施設などに集中して整備が進められていることの反映だろうか。

調査概要

  • 調査対象:15~69歳の男女/5Gスマートフォン利用者
  • 回答件数:6,351人
  • 調査方法:Webアンケート
  • 調査時期:2022年7月