経済産業省は12月20日、「キャッシュレス実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年11月19~20日、調査対象は全国20~70代の消費者、有効回答は4,800人。

キャッシュレス利用、世帯年収・月支出額が上がるにつれ増加

  • キャッシュレス利用者 世帯年収月支出別の各セグメント人数割合(出典:経済産業省Webサイト)

キャッシュレスの利用状況を調べたところ、「可能な限りすべてキャッシュレス決済を利用(以下、フルキャッシュレス層)」は54%、「7~8割程度はキャッシュレス決済を利用」は18%となり、合わせて54%が日常生活において「7~8割程度以上キャッシュレス決済を利用」していることがわかった。

「7~8割程度以上キャッシュレス決済を利用」している割合を世帯年収別にみた場合、300万円未満では50%だったが、1,000~1,500万円では71%、1,500万円以上では66%に増加。また、月支出額別にみると、5万円未満では41%にとどまったのに対し、50万円以上では71%となるなど、世帯年収・月支出額が上がるにつれてキャッシュレス利用が増える傾向がみられた。

月々の支出金額に占めるキャッシュレス決済比率は47%。これに銀行振込口座振替を含めると、キャッシュレス決済比率は67%となった。

決済単価別の支払い方法を尋ねると、1,000円以下では、49%が「主に現金で支払う」と回答。また、1,000円以下のキャッシュレス決済では、QRコード決済(19%)が最もよく使用されていたほか、フルキャッシュレス層でも24%が主に現金で支払っていることがわかった。

現金の持ち歩き状況を調べたところ、フルキャッシュレス層でも74%は「いつも現金を持ち歩いている」と回答し、「全く持ち歩かない」はわずか4%だった。同調査では、「現金がなくても生活できると感じている人は少数派である」と分析している。