日本生産性本部のイノベーション会議は12月19日、「『人材を生かす賃金』に関するアンケート調査結果<速報版>」を発表した。調査期間は2022年11月7~28日、調査対象は日本生産性本部賛助会員企業の人事担当役員、有効回答は155人。
物価上昇に対応する企業は6割弱
この3年間(2020~2022年度)における賃金制度の変更状況を聞くと、「変えた」企業は36.8%、「今年度中に変える予定」の企業は3.9%。一方、「変えていない」企業は59.4%だった。
「変えた」「今年度中に変える予定」の企業における対象層は、「全社員」が74.6%、「管理職層」が15.9%、「非管理職層」が9.5%となった。
賃金制度を変えた(変える)ねらいについては、「社員のモチベーション・エンゲージメント向上」が58.7%でトップ。次いで「人事制度との整合性」が36.5%と続き、「専門人材の確保」は4.8%と少ない結果となった。
最近の消費者物価の上昇を正社員の給料に反映するかどうかを質問すると、「主に月例賃金に反映(ベースアップ)」が39.4%、「主に一時的な現金支給(賞与や手当て等)」が18.7%と、計58.1%の企業が何らかの形で対応すると回答。ただし、従業員数300人未満の中小企業では「対応する予定がない」が55.7%を占めた。
日本の正社員の賃金が上がりにくい理由については、「いったん賃金を上げると下げることが難しい」(69.0%)と「労働生産性が高まっていない」(65.8%)を挙げる企業が多いことがわかった。