TwitterのCEO(最高経営責任者)イーロン・マスク氏が、利用者に自らの進退に関する意見を求めたTwitter投票の最終結果が12月19日(米国時間)に明らかになり、トップ辞任に「賛成」が57.5%で過半数だった。投票開始前に同氏は「投票結果に従う」と述べており、改革半ばで混乱状態にある中で経営体制の見直しが行われる可能性が出てきた。

Twitter投票の質問は「Should I step down as head of Twitter? I will abide by the results of this poll」(Twitterの責任者を辞任すべきでしょうか?私はこの投票結果に従います)だった。投票期間中に1750万2391票の投票があり、最終結果は「Yes」が57.5%、「No」が42.5%だった。

マスク氏は、今年11月にドナルド・トランプ前米大統領のTwitter復帰を認めるべきかどうかを問うTwitter投票を実施し、「賛成51.8%」という最終結果が出た後に、トランプ氏のTwitterアカウントの永久停止処分が解除された。その際に同氏は「Vox Populi, Vox Dei」(民の声は神の声:ラテン語)とツイートしていた。今回の結果が出る前に、同氏は「As the saying goes, be careful what you wish, as you might get it」(ことわざがあるように、それが手に入るかもしれないのだから、願いごとをする時には気をつけなさい)と投稿した。

マスク氏はTwitterのほか、宇宙開発企業のSpaceXや電気自動車のTeslaなどのCEOを務めている。今年11月、複数企業のCEOであるマスク氏の高額報酬を巡ってTeslaの株主が起こした訴訟において同氏は、自身を役割を経営に焦点を当てた一般的なCEOとは異なると指摘、技術のビジョンを持ちその目標を達成できるエンジニアのチームを組織することであると説明した。そのため、しばらく前からマスク氏が事業経営者としてTwitterに関わるのは一時的である可能性が指摘されていた。TwitterのCEOを辞任しても、ほぼ全ての株式を保有するマスク氏が強い影響力を持つことに変わりはない。

しかし、現在Twitterの経営は厳しい状況にあり、今回のTwitter投票の最終結果が出る前に、マスク氏は「The question is not finding a CEO, the question is finding a CEO who can keep Twitter alive」(問題はCEOを見つけることではなく、Twitterを存続させられるCEOを見つけることである)とツイートしている。