仮面ライダーシリーズ最新作『仮面ライダーギーツ』と、今年8月に放送終了した『仮面ライダーリバイス』が強力タッグを組んだ劇場映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が、12月23日から公開される。単独インタビューの今回は、仮面ライダーギーツ/浮世英寿を演じる簡秀吉が登場する。

  • 簡秀吉(かん・ひでよし) 2002年生まれ、京都府出身。高校時代はラグビーに明け暮れ、スカウトをきっかけに芸能界入り。ネット配信の恋愛リアリティー番組『今日、好きになりました。』(2019年)で注目され、テレビドラマ『ナンバMG5』(2022年)、映画『あしたのわたしへ 私の卒業 -第3期-』(2022年)に出演。『仮面ライダーギーツ』(2022年)の仮面ライダーギーツ/浮世英寿役でテレビドラマ初主演を果たす。 撮影:大門徹

努めて感情を出さずクールにふるまい、目的のためなら他のライダーをあざむくことにも躊躇がない英寿と、家族思いの人情家、喜怒哀楽の感情が顔に出てしまう仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝(演:前田拳太郎)はまさに好対照のヒーロー。先輩ライダーとの本格共演を果たした簡に、映画の撮影裏話や見どころ、そしてミステリアスな英寿を演じるにあたって心がけていることを尋ねた。

――簡さんは10月23日に20歳の誕生日を迎えられて、その日は共演者のみなさんからお祝いされたそうですね。

そうなんです。最初は取材だと聞いていて、普段通りスタジオに行ったらみんなが「おめでとう!」と……、サプライズを仕掛けてもらって、めちゃめちゃうれしかったです。

――『仮面ライダーギーツ』レギュラーキャストのみなさんの仲のいい雰囲気は、SNSを通じてファンの方々に伝わっていると思います。

ふだんから、みんなで控室にいるときとか、ずっとおしゃべりしています。デザイアグランプリのサロンみたいに、お互いを牽制しあっているような空気とは正反対(笑)。ときどき、数人で一緒にご飯を食べに行ったりすることもあります。

――テレビシリーズでは複数の参加者(仮面ライダー)たちが生き残りをかけ、謎の怪物ジャマトと戦っていくゲーム=「デザイアグランプリ」の非情なルールが話題を呼んでいます。当初はデザイアグランプリとは何なのか、詳しい全貌が示されず、エピソードが進む中で少しずつルールが明かされる展開で、観ているほうとしてはハラハラするばかりでした。

デザイアグランプリも「黎明編(第1話)」に続いて「邂逅編」が第9話で完結し、次の「謀略編」である程度の全貌が明らかとなり、デザイアグランプリとは何なのかがだんだんわかってくるんじゃないかと思います。

――デザイアグランプリにかなり昔から参加しているという英寿や、ナビゲーターのツムリはゲームの仕組みやすべてのルールをつかんでいるような感じですが、演じる簡さんもある程度、ゲーム自体のことを聞かされているのでしょうか?

それが僕も事前に知らされていないことが多くて、台本を読んで戸惑うことも少なくないのですが、そもそも英寿は感情をあまり表に出さない人物。ゲーム内で起きる出来事について、英寿は常に「こんなことが前にもあったな」という感じで接しなければなりません。初めて触れることでも「知っている」という雰囲気を出すよう常に意識しています。

――確かに、英寿がゲームの進行で想定外のことを目撃しても、決してあわてたりしないという面が徹底されていますね。簡さんが英寿のクールさ、超然とした人物像を表現するために、気をつけているのはどんなところですか。

猫背にならず、背筋を常に伸ばしていることです。そして、歩き方、立ち方に気をつけています。ガニマタっぽくならないようまっすぐ歩き、胸を張って堂々と立つ。あとは、目線の持っていき方です。対象にすぐ目を向けるのではなく、ゆっくりと余裕を持って……、そんなたたずまいを意識しています。

――9月4日の放送開始から、3か月あまりが経ちました。テレビをご覧になった身近な方たちからの反響で、うれしかったものを教えてください。

やっぱり、以前から応援してくださっているファンの方々や、親しい友人から励ましの言葉をもらうとうれしいです。僕は3人兄弟の真ん中で、兄も弟も僕が『ギーツ』に出演しているのを喜んでくれています。

――12月23日からは『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が公開されますね。仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝役の前田拳太郎さんと『リバイス』最終回以来となる、リバイスとギーツの共演についての思いを聞かせてください。

台本をいただいたばかりのときは「どういう物語なんだろう」と少し混乱しましたが、読み進めていくうちにストーリー展開や『リバイス』の世界観が解ってきて、ワクワク・ハラハラ・ドキドキしっぱなしでした。スタッフさんからは「テレビと映画のスケジュールが被ると大変だよ」と言われていましたけれど、つい先日映画がクランクアップを迎えまして、振り返ってみるとずっと「楽しかった」という思いしかありませんでした。『リバイス』の先輩たちから刺激を受け、学べることが多く、この体験をテレビのほうにも活かしていければいいなと思いました。

――映画は「リバイス編」「ギーツ&リバイス編」の2部構成になっているとうかがいました。「ギーツ&リバイス編」では英寿と一輝のコンビネーションがストーリーの肝となっている印象です。撮影現場における、簡さんと前田さんのコンビネーションはいかがでしたか。

拳ちゃん(前田)とは普段から仲良くしているんですけど、現場に入ると「前田くん」と呼んで、仕事とプライベートを分けるよう意識していたんです。そうしたらよそよそしいと思われて「“前田くん”はやめて!」って言われましたが(笑)。現場でも、普段どおりの拳ちゃんで、撮影はとても楽しかったです。僕は拳ちゃんから「カンキチ」と呼ばれていました。これは以前からずっと仲良くしている日向亘(仮面ライダーライブ/五十嵐大二役)が名付けてくれて、そのニックネームが拳ちゃんにも浸透した形ですね。