現在50代以上の人の間でよく使われていた「華金」。本記事では「華金」の意味や由来、表記の異なる「花金」との違いなどについて詳しく解説します。また例文とともに「華金」の使い方や英語表現なども併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

  • 「華金」とは?

    「華金」の意味や由来、「花金」との違いなどについて解説する記事です

華金とは

まずは「華金」の意味や由来、概要などを確認していきましょう。

華金の意味や由来

「華金」は「華の金曜日」を略した言葉で、読み方は「はなきん」です。夜遅くまで遊んだり思いっきり羽を伸ばしたりできる金曜日のことを指しており、主に社会人の間で使用されます。

この言葉が生まれたのは1980年代後半から1990年代初頭のバブル期だとされています。景気が良く、翌日のことを考えずに豪遊する風潮があったことから「花(華)のようなきらびやかな金曜日、つまり花金(華金)」と呼ばれるようになりました。1970年代後半から1980年代ごろにかけて週休2日制が広まったことも重なり、金曜には心置きなくお酒を飲む人が多かったようです。

このバブル経済期の華金には、繁華街のディスコや高級飲食店などが明け方までにぎわい、会社の飲み会などでもタクシー代が支給されることもあるほど、多くの人が遅くまで派手に遊んでいたようです。

華金とはいつ?

「華金とはいつの金曜日なのかがわからない」という人もいるかもしれませんが、特定の金曜日を指す言葉ではないため、金曜日であれば自由に使用していいでしょう。

華金と給料日が重なるとうれしいという声も

翌日の仕事のことを考える必要がなく、自由に過ごせる「華金」。そんな「華金」と給料日が重なるとうれしい、という声も少なくはありません。

「華金」に慣れ親しんでいる世代の人の中には、「給料日」が金曜日だとついお金を使ってしまう人もいるかもしれませんね。

華金はもう死語?

  • 「華金」はもう死語?

    「華金」は徐々に使われなくなっていったものの、現代の若い世代の中で再び注目を集めています

バブル期のビジネスパーソンの間で頻繁に使われていた「華金」という言葉。昭和を中心に流行した言葉のため「死語」といわれることも少なくはありませんが、実際はどうなのでしょうか? 「華金」の現代におけるイメージに焦点を当て、解説していきます。

社会人のスケジュールや働き方が多様化していることなどから、華金離れも

特に現代では、もともと平日が休みの職場で働いていたり、混雑を避けるためにわざと平日に休みをとったりする人も少なくはありません。人によっては金曜日が必ずしもリフレッシュできる日ではないことから、「華の金曜日」が使われにくくなっているかもしれません。

また在宅勤務が広がり、同僚などと退社後にそのまま繁華街に繰り出すというよりも、家でゆっくりするというスタイルも増えているでしょう。それ以外にも副業をしたり、スポーツや習い事などをしたりと、週末の過ごし方は多様化しています。そういったことから、もともとの「華金」という言葉の意味は、実態にフィットしづらくなっている可能性があります。

一部の若者には再注目されてきている

バブルが崩壊し、時代の流れとともに、徐々に使われなくなっていった「華金」。しかし、現代の若い世代の中には「華金」という言葉をおもしろがって使ったり、「華金」の響きに注目したりしている人もいるようです。

実際にSNSなどで若者が「華金」を使っている様子が見られるほか、「華金カップル」という名称でYouTubeチャンネルを運営している20代のカップルもいて、人気を博しています。

なお現在では、必ずしも派手にお酒を飲んで盛り上がることを「華金」とするのではなく、映画のレイトショーを観たり、自宅でゆっくりお風呂に入ったり、本を読んだり、一人で晩酌したりと、自分をいたわり、リラックスすることも含めて「華金(または後述の花金)」と呼んでいるようです。

華金と花金の違い

  • 「華金」と「花金」の違い

    もともとは「花金」の表記で使用されていたものの、高級感を出す意味合いで「華金」が使われることがあります

「華金」は同じ読み方で「花金」と表記されることも多く、2つの言葉の違いが気になる人もいるでしょう。ここからは「華金」と「花金」の違いについて解説していきます。

もともとは花金が使われていた

「はなきん」という言葉は、もともと「花金」の表記で使用されていました。意味は基本的に「華金」と同じで、金曜日に思う存分羽を伸ばすというニュアンスも変わりません。

「花金を使うのが一般的」という考え方もあるため、人によってはこちらの表記のほうがしっくりくるかもしれませんね。

華金に豪華なイメージを持つ人もいる

基本的には同じ意味の言葉である「華金」と「花金」ですが、「華金」に対し、より豪華でグレードの高い印象を持つ人もいるようです。「華」という漢字がきらびやかなイメージであることから、少しリッチに過ごす金曜日のことを「華金」と表すことがあるのでしょう。

具体的には、高級レストランで食事をしたり豪華なホテルに泊まったりする際に、より高級感を出す意味合いで「華金」を用い、近くの居酒屋で同僚との飲むなどカジュアルな過ごし方を「花金」として認識している人もいるようです。

プレミアムフライデーやブラックフライデーと華金は別物

  • 「プレミアムフライデー」や「ブラックフライデー」と「華金」は別物

    「プレミアムフライデー」や「ブラックフライデー」は「華金」とは意味合いの異なる言葉です

近年、よく見聞きするようになった「プレミアムフライデー」や「ブラックフライデー」という言葉。「フライデー(金曜日)」が含まれていることから「華金」に関連していると思う人もいるかもしれませんが、2つとも「華金」とは関係のない言葉です。

「プレミアムフライデー」は、政府が個人消費の活性化を図るために2017年から始めたキャンペーンのことで、毎月最終金曜日は15時に仕事を終えることを推奨するものとなります。

また、「ブラックフライデー」は、アメリカの感謝祭(11月の第4木曜日)翌日の金曜日のこと。大規模なセールが行われることで、アメリカの小売店がこの期間だけでかなりの利益を出すことから、日本を含むアジア各国でも浸透するようになりました。

それぞれ「華金」とは意味合いの異なる言葉ですので、混同しないように注意しましょう。

華金の使い方と例文

  • 「華金」の使い方と例文

    「華金」を正しく使うためにも例文で使い方を確認しておきましょう

1980年代後半から1990年代初頭のバブル期に流行した言葉であるものの、現在再び注目を集めている「華金」。職場の上司や同僚などとの会話で正しく使うためにも、例文で使い方を確認しておきましょう。

例文

  • 明日は給料日と華金が重なるので、ホテルの高級レストランでコース料理を頼もうと思う。
  • 華金を楽しみに、もう少しだけ仕事を頑張ろう。
  • お酒が苦手なので、華金はだいたい映画鑑賞をしたりジムに行ったりして過ごしている。
  • 明日は土曜日なので、今日は少し夜更かしをして、趣味の読書で華金を楽しもう。

華金の英語表現

  • 「華金」の英語表現

    英語で「華金」を表すなら「Thank God It's Friday(略して「TGIF」)」となります

「華金」は日本で生まれた言葉ですが、実は英語にも「華金」と似たようなニュアンスの表現があります。

それが「Thank God It's Friday(神様ありがとう、今日は金曜日)」で、これを略して「TGIF」とした形がメールやSNSなどでよく使用されます。

「よい週末を!」や「やっと華の金曜日ですね」などと英語で言いたい場合は、こちらの表現を使うといいでしょう。

華金の意味を理解して、上司や同僚などとの会話を楽しもう

「華金」は「華の金曜日」の略で、金曜日が夜遅くまで遊んだり思いっきり羽を伸ばしたりできる日であることから生まれた言葉です。

もともと「花金」と表記されていましたが、より華やかなニュアンスを出す目的であえて「華金」が使われる場合があるようです。

なお、「華金」はバブル期にはやった言葉のため死語とみなされることもありますが、若い世代の中には新鮮に感じる人もおり、再び注目を集めています。また、現代での意味は派手に飲んで豪遊するということだけでなく、自分の時間を大切に、リラックスするということも含まれているようです。

「華金」の意味や使い方、英語表現などを理解しておき、上司や同僚などとスムーズに会話できるようにしておきましょう。