TSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブは、東京・丸の内の丸ビル3階・4階に「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」を12月15日にオープンした。丸ビルは開業20周年、新丸ビルは開業15周年とアニバーサリーを迎え、9月より段階的なリニューアルを実施中。同店の開業に合わせてオープニングイベントとメディアツアーを開催した。
「丸の内の魅力をいろんな人に知ってもらいたい」
オープニングイベントには、三菱地所のCMに出演する高畑充希さんが登壇。「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」や丸の内エリアの印象などが語られた。
CMは、丸の内のいろいろな場所で撮影されており、「私が普段行かない場所でも撮影していて、(場面が)パッパッと切り替わって楽しくなりました。石畳なんかは、本当にちょっとパリっぽいなと思いましたね。楽しかったです」と、撮影を振り返る。高畑さんが三菱地所の顔となってから4年、「ポスターなどもいろいろなところで見るよ、とたくさんの方に言われます。海外から帰ると、(空港のポスターで)充希がおかえりって言ってくれる、なんて言っていただけたこともあります」とはにかんだ。
丸ビル20周年、新丸ビル15周年にちなみ、高畑さんの15歳、20歳の頃について、「15歳の頃はピーターパンのミュージカルをやっていたので、ずっと空を飛んでいました(笑)。20歳の頃は、大学生。サークルで花火とかをしていたかな」と振り返った。
その頃の丸の内の印象を、「劇場も近くにあるので、10代のころから訪れていた場所ではあります。でも、シュッとした働く女性や男性が颯爽と歩いているような、大人の街という印象」と話す。そして現在は「カルチャーとか、アートとか、ごはんとか、いろんな要素を持っている場所がいっぱいある。撮影の合間にもおいしい店を探しました」と印象が変わり、ビジネスだけではなくいろいろな楽しさが丸の内に詰まっていると語った。
イベント会場となった「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」の印象については、「海外の雑誌など、ほかでは置いていない書籍がたくさんあるので、TSUTAYA BOOKSTOREは1日いられるくらい好きな場所。そこにいるだけで、自分がグレードアップされたような気になります。丸の内にはシェアラウンジもあるんですね。エッセイを書いていた時は、家だとサボってしまうので外で書いていたんですけど、ラウンジにいると周りの人の景色が違って見えて、いろんな人を観察しちゃったりします」と、ラウンジでの過ごし方を明かした。
このイベントが行われた12月14日は、高畑さんの誕生日。サプライズでケーキと全国どこの「TSUTAYA BOOKSTORE」のシェアラウンジも使うことができるパスポートが贈られると、「すごく嬉しいです! (パスポート)使います! ケーキとお花もいただいて……ビルが描いてあるケーキは初めてです(笑)」と、丸ビルと新丸ビルが描かれたケーキを前に笑顔を見せた。そして、女優としての抱負をCMの言葉になぞらえ「いろんな“何々のような”人に、いろんな魅力を持った人間になれていたらいいな」と話した。最後に「丸の内の、いろんな“のような”魅力をいろんな方に知っていただきたいですし、力になれるよう頑張ります」と抱負を語った。
丸ビル・新丸ビルは2023年春ごろまでリニューアルを実施
続いて、三菱地所の運営事業部長、安達晋氏より、丸ビル・新丸ビルリニューアル事業概要説明が行われた。
リニューアルのコンセプトは「Your Palette-明日を彩る、私を選ぼう。-」。訪れた人がパレットから自分で好きな色を選ぶように、この街から新しいものを選んでデザインしてほしいという願いが込められているという。今回のリニューアルでロゴも一新され、9月6日から2023年春にかけて、段階的にリニューアルを実施している。
丸ビルは86店舗中33店舗を新規オープンし、地下1階のフードゾーン「マルチカ」は2023年春に全面リニューアル、20店舗が新規出店予定。さらに共用部や化粧室も一新し、ベビールームも美装化した。共有部は、木目などナチュラルで明るい雰囲気に変わり、時間によって照明の明るさを変えるなど、快適に過ごせるように工夫が施されている。またイベント時にはカラフルな照明に変えることもできる。
新丸ビルは外構部をリニューアルし、誰でも利用できるテラスゾーンを設置、大手町側のエントランスも大規模改修を予定している。12月25日までは、期間限定で「こたつテラス」を用意し、夜間のイルミネーションを温かく楽しむことができる。また、7階飲食店ゾーン「丸の内ハウス」も2023年春にリニューアル。ゾーンごとに空間デザインを変化させ、東京駅ビューなど特徴的なテラス席を用意されるほか、トイレもビビッドな緑色と黄色の光に包まれる印象的な空間に変更する。
デジタルに代替されないリアルの価値を提供
さらに、「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」についての説明が、カルチュア・コンビニエンス・クラブの関東カンパニー カンパニー社長の安田秀敏氏より行われた。
カルチュア・コンビニエンス・クラブは企画会社として、蔦屋書店、蔦屋家電など、さまざまなプラットフォームのイノベーションを提案してきた。シェアラウンジも同社が提案するイノベーションのひとつで、2019年10月にシェアラウンジの1号店となる「TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア」を開業、現在6エリア21店舗を展開している。
売り上げの推移はコロナ禍を経ても右肩上がりで、今後さらに増加する見込みだという。これは、時代の流れからリモートワークなどが進む中でも、デジタルに代替されないリアル空間の価値が見出されていると考える。
「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」は、渋谷スクランブルスクエア、代官山 蔦屋書店に続く大型旗艦店となる。ユーザー層をリサーチした結果、特にミドル世代の女性をメインターゲットに展開していくという。そして今後は首都圏でシェアラウンジ100店の出店を目指していくと話した。シェアラウンジには、ソファー席やブース席などのほか、テレワーク会議に最適な照明付きのブース、パーティ利用も可能な部屋など、さまざまな用途を想定した座席を用意されている。
クリスマスムードたっぷりのイベントを開催中
なお、12月25日まで開催中の「Marunouchi Street Park 2022 Winter」では、東京駅と皇居を結ぶ行幸通りには環境配慮型のスケートリンクを設置、丸の内仲通りでは大丸有エリアのホテルや店舗と連携したクリスマスマーケットを出店している。これは、都心の広場・公園的空間の在り方を検証する社会実験として催されており、日本上陸50周年となるティファニーの世界観を展開する「Tiffany Holiday Street」やルイ・ヴィトンと草間彌生によるインスタレーションなども展示されている。
また、丸ビルとデビュー50周年を迎えた松任谷由実さとのコラボレーション「Marunouchi Bright Christmas 2022 ~YUMING 50th BANZAI!~」が、丸ビル、新丸ビル、丸の内オアゾなど丸の内エリアにて12月25日まで開催している。1970年代から2000年代までの各時代をテーマにしたレトロポップなクリスマスフォトスポットが登場し、メイン会場となる丸ビル1階のマルキューブには高さ8mの生木を使用したクリスマスツリーを設置。3階回廊にはプロジェクションマッピングによる映像ショーも行われる。生木のツリーは群馬県・嬬恋村より運ばれたもので、イベント後にはふたたび植樹されるという。