スウェーデン・ウプサラ大学の研究チームは、重い毛布の使用が、メラトニン生成に与える影響を調査。結果として重い毛布で寝ると、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌量が増加することが明らかとなったそうだ。
研究によれば、重い毛布に、不眠症などを緩和するための作業療法としての効果があるのだという。これまでの研究でも、120人の精神疾患患者を対象に、就寝中に重い毛布を1カ月以上使用すると、軽い毛布を使用する患者よりも不眠症の重症度が緩和される効果を確認していた。
今回の研究では、普段は重い毛布を使っていない、若く健康的な男女26人を対象に、一晩は体重の12.4%に相当する重い毛布で、もう一晩は体重の2.4%に相当する軽い毛布で寝てもらった。すべての参加者は、19時に夕食を食べ、明るい部屋で2時間過ごし、22時から毛布をかけて横たわる。その後23時の就寝時間まで間に、20分おきに参加者の唾液を採取し、メラトニン濃度を計測した。
結果として、重い毛布を使用した場合は、軽い毛布を使用した場合と比較して、メラトニンの増加率が約32%高くなることが明らかとなったという。一方で、参加者は毛布の重さの違いで、睡眠時間や、起きた後の眠気に差はなかった。
同研究チームは、今後は、数週間から数カ月にわたって重い毛布を頻繁に使用した場合、メラトニン分泌の促進効果が毎晩観察されるかどうかを調査する必要があるとしている。また現時点では、観察されたメラトニンの増加が、重い毛布の不眠症などに対する効果や治療に関連するかは不明だという。
ネット上では「重いと寝やすいのわかる」「マジで安眠できる」「おばあちゃんちのばかみたいに重いお布団で寝るの ちょー幸せだったもんな」と実感する人の声が寄せられた。