2022年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器が登場しました。今年は何といっても物価高が直撃。デジタル機器の多くが、コスト高や円安を背景に、値上げを余儀なくされました。そんな中でも購入を決めたお役立ちアイテムを、デジタル業界に詳しいライター諸氏に聞きました。

2022年に購入したベストアイテム、今回紹介するのはSNSのトレンドや子どものスマホ利用に詳しく、総務省有識者会議委員も務めるITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんです。選んだ製品はアップルのiPhone 14 Pro。価格がネックだったため、下取りプログラムの活用を検討したところ……?

  • iPhone 14 Pro ディープパープルを買いました

  • 選んだ製品:iPhone 14 Pro 256GB ディープパープル(Apple)
  • 実勢価格:164,800円(Apple Store)
  • 選んだ理由:Dynamic Island
  • 満足度:★★★★

値上がってしまった最新iPhone

2022年9月に発売されたiPhone 14シリーズは、日本での販売価格が13シリーズよりも上がったことで話題になりました。利用率が全年齢で44.1%、10代女性では84.1%にも上るiPhoneですから、価格の発表で悲しみに暮れた人が多かったことでしょう(「2022年5月スマートフォンOSシェア調査」MMD研究所)。

かくいう私も、今年はサブ機として使っていたiPhone 8を売り、メイン機にしていたiPhone 12 Proをサブ機に、そしてメイン機をiPhone 14 Proにして、iPhone環境をリニューアルすることを考えていたため、価格を見た瞬間に「無理かも」と頭を悩ませてしまいました。候補としていたiPhone 14 Pro 256GBは、契約しているauでの販売価格が201,925円(税込)と、20万円を超える価格だったのです。

しかし、14 Proシリーズに搭載された「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」には心を動かされました。Dynamic Islandとは、ディスプレイ上部のカメラやセンサーが配置されている部分を黒く表示することで拡大し、通知やウィジェットの役割を持たせる機能です。Appleのデモを見ると、Dynamic Islandを長押しして音楽の操作をしたり、マップを表示したりしています。久しぶりにUIの大きな変化を体験できるのでは、とワクワクしたのです。

買えるかも? 下取りプログラムで試算

そこでiPhone 14 Proを購入するにはいくらかかるのか、あらためて計算してみることにしました。まず、私が契約しているauの下取りプログラムでは、iPhone 12 Pro 256GBの下取り価格(ポイント)は48,400円相当(通常品)、もうひとつのiPhone 8 64GBの下取り価格(ポイント)は6,050円相当(通常品)と判明。iPhone 8ではなくiPhone 12 Proを手放せば、それほど痛手はないのではと考えました。

iPhone 12 Proの下取りと別途貯めていたポイントを合算すると、実質13万円弱で買えます。円安ドル高の現状を考えると日本の価格は抑えめともわかり、現役でまだまだ使えるiPhone 12 Proを手放すのは惜しかったのですが、iPhone 12 Proを下取りに出してiPhone 14 Proを購入しました。カラーはもちろん新色のディープパープル、ストレージは前回と同じ256GBです。

  • ディープパープルの色味を活かせるように、透明なケースで使用しています

iPhone 14 Proで驚いたこと

iPhone 14 Proを購入して3カ月近く経ちましたが、Dynamic Islandはやはり楽しいです。決済などでFace IDを使うときは、顔のマークが大きく表示されてかわいらしさにほっこりします。

音楽の操作パネルも長押しですぐ出せますし、他の操作をしているときでも常にアルバムジャケットが小さく表示されていて気分が上がります。Qiの充電器に置いたときも大きくなるので、きちんと配置できたことがわかります。

  • Dynamic Islandで新たな体験ができて満足です

想像していたよりも便利だった点は、「常時表示ディスプレイ」。iPhone 14 Proシリーズは、ディスプレイが常時点灯し、時計や通知が表示されます。最初はその見た目に慣れなかったため、オフにすることも考えたのですが、ちらっと見るだけで時間や通知がわかるのはやはり便利。「家族からのLINEを見逃していないかな」などと、いちいち電源ボタンを押す必要がなくなりました。

ただ、ボイスレコーダーの表示には驚いてしまいました。ボイスレコーダーで録音しているときに画面がロックされると、常時点灯では数字がハイフンで表示されるのです。熱暴走でもしてしまったかと焦りましたが、ロック画面にして正しく動作していることがわかりました。今では何の問題もありません。

  • 最初だけ、ロック画面のボイスレコーダーの表示に戸惑いました

そして、14シリーズに搭載された、動きながら撮影しても手ブレがないなめらかな映像が撮影できる「アクションモード」も楽しいです。道端で見かけた猫や、取材で見かけたロボットを歩きながら撮影しても、揺れが少ない動画になります。

また、iPhone 14シリーズの話とは異なりますが、iOS 16のロック画面をカスタマイズする機能も楽しいですね。TikTokでは、多くの若者がカスタマイズの手順を紹介しています。私もさっそく「時計表示の手前に人物や動物を出す」ワザで設定してみました。

ただし、すべての画像ではこのようにはならないので、いくつか試してみてください。「推し」の画像をロック画面に設定している人におすすめです。

  • 写真を選択したら、時計表示にかぶさるようにピンチインやピンチアウトで移動します

  • ロック画面で時計表示の手前に猫がいるような印象になりました

新しいiPhoneはやっぱり満足度が高い!

大きなレンズが3つ搭載されたiPhone 14 Proを手に持ったとき、最初は少し上部が重く感じましたが、今では気になりません。Dynamic Islandと常時点灯でアクションを減らすことができ、ますます使い勝手が良くなりました。

iPhoneは比較的長く使えるスマホですが、進化した新しい機種はやはり満足度が高いですね。これからはiPhone 14 Proの性能を活かすためにも動画撮影を練習して、わかりやすいレポートをお届けできるように頑張ります。