JR西日本は、向日市との間で2022年2月に協定を締結し、事業を進めているJR京都線の向日町駅自由通路整備・橋上化事業に関して、自由通路と駅舎の設備の概要・デザインが決定したと発表した。2025年夏頃に一部供用開始、2026年冬頃に全面供用開始を予定している。
JR京都線の向日町駅自由通路整備・橋上化事業では、駅東側エリアからのアクセス改善と駅の交通結節点としての機能強化ならびにサービスの向上を図るとともに、まちの活性化と駅周辺のにぎわい創出をめざし、事業を進めている。
現在の向日市が位置する地域は、古くから長岡京の条坊制の路、向日神社の参道、都市間をつなぐ西国街道など、歩行空間の整備が行われてきた。加えて、向日町駅は京都府内で最初に開業した鉄道の駅であり、今日まで多くの人に利用されている。このような歴史的背景と、向日市および向日町駅のさらなる発展へ願いを込め、新しい自由通路・駅舎のデザインコンセプトを「明日のむこうにつなぐみち」に決定した。
西口広場の正面に採用したガラスの箱状のデザインは、西国街道の要所に配置され、旅人を導く道しるべとしての役割を担う「常夜灯」を表現。「新しいみち」と「新しいえき」、これからの向日市の「新しいまち」への道しるべとなることが期待されている。
自由通路は幅員5m、延長約60mの歩行者専用通路とされ、西口にエレベーター1基と階段(幅員2m)、エスカレーター(昇り降り各1基)を整備。東口は別途、市街地再開発事業での整備が予定されている。橋上駅舎はエレベーター2基(各ホーム1基)、エスカレーター2基(各ホーム昇り1基)、階段2カ所(各ホーム1カ所、幅員1.8m)、自動改札4通路、券売機3台、トイレを整備。店舗については計画中としている。
工事は2022年12月に着手しており、2025年夏頃に自由通路の改札から西側の部分と西口の階段・エレベーター、橋上駅舎のエレベーター・階段・自動改札・券売機・店舗(計画中)の供用を開始する予定。2026年冬頃に自由通路の改札から東口接続部までの部分と西口のエスカレーター(昇り降り)、東口の市街地再開発事業で別途に整備予定の部分、橋上駅舎のトイレとエスカレーター(昇り)が完成し、全面供用開始する予定となっている。