アユートは、Astell&Kernブランド初のA級アンプ搭載アナログ・ポータブルアンプ「AK PA10」を発表。2023年1月の発売を目指しており、製品の詳細や国内での発売日は確定次第、改めて案内するという。店頭価格は94,980円前後となる見込み。
Astell&Kernのポータブルオーディオプレーヤーなど、さまざまなオーディオ機器と組み合わせて使えるポータブルアンプ。同ブランドが培ってきたアンプ回路設計技術のノウハウを最大限活用し、4.4mm 5極トゥルーバランス入出力と、Class-A(A級動作)アナログアンプを初めて導入。カレント(電流)コントロール、ゲインコントロールに加え、ハードウェア・クロスフィードを搭載し、「Astell&Kernのピュアなアナログサウンドを楽しめる」としている。
効果的な電源ノイズの除去、効率的なパワーマネジメントなどを可能にするという、独自のTERATON ALPHAテクノロジーを採用。これによって「歪のないClass-Aアンプの自然で広がりのあるリニアなアナログサウンドをより強化した」とする。
3段階で設定できるClass-Aカレント(電流)コントロール、2段階設定でバランス出力時最大6.2Vrmsの出力が可能なゲインコントロールに加えて、元の音源ソースを劣化させずに“シームレスで洗練されたクロスフィード効果をもたらす”というハードウェア・クロスフィードも搭載。「さまざまなオプションでデジタルオーディオプレーヤーやDAC、デバイスと接続して、Astell&Kernのピュアなアナログサウンドを楽しめる」としている。
A級動作のアナログ・ポータブルアンプでは珍しい、4.4mm 5極のバランス入出力をサポートし、高出力で鮮明な音の再生を追求しているのもAK PA10の大きな特徴。ポータブルヘッドホンアンプの多くは4.4mm 5極バランス入力に対応しておらず、3.5mm 3極アンバランス信号を4.4mm 5極バランス信号に切り替えたりしているが、「このような入出力の組み合わせは、ソースデバイスの純粋なバランス出力を使用できず、移行プロセスで信号が失われる」とのこと。
なお、AK PA10は3.5mm 3極アンバランス入出力にも対応しており、多くの機器と組み合わせて使えるようにしている。音源ソースを最大限劣化させずに増幅して出力するために、3.5mm入力時は3.5mm出力のみ、4.4mm入力時は4.4mm出力のみのトゥルー出力になるという。
AK独自のアナログボリュームを搭載。クロスフィード、ボリューム、アンプなど、オーディオブロックごとに電源ICを分けて搭載しており、各オーディオICに最適な電力を供給できるようにした。DC-DC電源の干渉リップルノイズ(電源投入時に発生する波紋状のノイズ)を排除し、音と共に増幅されるノイズを最小限に抑える。
さらに、ノイズや電磁波がオーディオブロックに影響を与えないよう、独自のシールド缶技術も盛り込んでおり、アンバランス回路とバランス回路を物理的に分離する設計も投入することで、高出力ながら低ノイズ・低歪化を追求した。
本体のデザインコンセプトは「スロープ」で、AKのアイデンティティを示すと共に、「力強い性能と手に持ったときの優れたエルゴノミクスフィットをイメージした」とのこと。容量4,200mAhのバッテリーを内蔵し、最大約12時間の連続再生が可能。急速充電にも対応する。