アジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK2022(日本橋スペースウィーク2022)」が、12月16日まで日本橋で開催されている。オープニングセレモニーの様子と宇宙ビジネスの最先端をご紹介したい。
規模も期待値も昨年の2倍
「NIHONBASHI SPACE WEEK(日本橋スペースウィーク)」は、2021年の初開催に続き、2回目となる。昨年は期間中に延べ6,000名以上が参加し、名実ともにアジアナンバーワンとも言える規模となったが、2022年はその2倍以上の国内外の宇宙ビジネスイベントが集結。
会場も拡大し、日本橋三井ホールと室町三井ホールの2会場へと拡大しての開催となっている。
宇宙ビジネス先進国の英国も出展
オープニングセレモニー冒頭で、三井不動産 取締役 専務執行役員 植田俊(たかし)氏が挨拶を行った。
「偶然にも昨日、ispace社の月着陸船がスペースX社のロケットによって打ち上げられ、日本橋にあるミッションコントロールセンターからの管制によって、月に向かっています。日本の宇宙産業史に残るであろうタイミングでのイベント開催となりました。人間関係を構築し、複数の人間が発想をぶつけ合い、新しいビジネスを生むのは、リアル開催に優位性があります」と述べる。
植田氏が言うように、宇宙領域は関連産業が幅広くプロジェクトの規模が大きいため、企業・団体、国家を超えて協力し合うことが重要である。
宇宙ビジネス先進国である英国もブースを出展。駐日大使ジュリア・ロングボトム氏も来場し、次のように語った。
「英国は欧州初となる軌道衛星打ち上げを目前に控えています。最先端の科学技術を活かし、気候変動などのグローバルな課題に取り組み、英国及び全世界の市民に貢献できるよう努めます。日本は宇宙分野のさまざまな側面において重要なパートナーです。展示会を通して、宇宙産業における日英協力が発展することを期待します」
宇宙飛行士の山崎直子氏も期待
日本人女性2人目の宇宙飛行士として活躍した山崎直子さんも、日本橋の人になっていた。今は、スペースポートジャパンという宇宙港の開設を目的とする一般社団法人の代表理事を努めており、「X-NIHONBASHI(クロス・ニホンバシ)」のオフィスを利用中だという。
「スペースポートジャパンにおいても、さまざまな国際連携に力を入れています。イギリスのコーンウォール宇宙港と日本でも宇宙港を目指す地域との交流、それぞれの地域の高校生同士の交流も深まっています。今回のスペースウィークでは、ISS(国際宇宙ステーション)のメタバースが体験できたり、宇宙活用ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster(エスブースター)」やビジネスマッチングが行われるなど、宇宙の裾野がどんどんと広がってきていることを感じます。環境をはじめとするさまざまな地球課題の解決に宇宙を活用していく、そうしたことへの期待もどんどん膨らんでいます」と述べた。
山崎氏の話に出たメタバースとは、「THE ISS METAVERSE」のこと。日本橋スペースウィークに連動し、エンターテインメントの要素を取り入れたイベント「HELLO SPACE WORK!NIHONBASHI 2022」も開催される。「THE ISS METAVERSE」は、JAXA監修のリアルな宇宙遊泳が楽しめる宇宙メタバース。こちらの企画も大変な話題となりそうだ。
日本橋は“宇宙ビジネスの街”へ!?
およそ30の企業・団体が集結し、多彩な展示が行われ、内容盛りだくさん日本橋スペースウィーク。日本橋といえば江戸時代は五街道の起点。商業や文化の中心地であり続ける地だったのに、令和の世は産官学の宇宙関係企業の集積が進む“宇宙ビジネスの街”として進化中だったなんて!
宇宙スタートアップ企業、宇宙産業振興に取り組む自治体、宇宙ビジネスに関わる企業・団体が集い、ネットワークが広がり新たなビジネスの種や活発な交流が生まれることに期待したい。
■information
「NIHONBASHI SPACE WEEK2022」
日程:12月12日~12月16日
場所:日本橋三井ホール / 室町三井ホール&カンファレンス