米Mozillaは、12月13日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 108」をリリースした。Firefox 107から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 107では、2022年11月28日にマイナーバージョンアップの107.0.1がリリースされている。107.0.1では、以下の修正が行われた。
- アンチ広告ブロッカーが原因で、プライベートブラウジングモードまたは強化型トラッキング防止で一部のサイトにおいて厳格モードではアクセスできない問題の修正
- 一部のユーザー環境でカラーマネージメントが利用できない問題の修正
- 一部のロケールにおいて、設定メニューでテキストが重なる問題の修正
- Windows 11 22H2で導入されたSuggested Actions機能との非互換性を修正し、電話番号のリンクをコピーするときにハングアップする問題の修正
- アラートダイアログが表示されていると、開発者環境でのUIにアクセスできない問題の修正
このマイナーバージョンアップでも。セキュリティアップデートは行われなかった。したがって、今回は、107.0.1からのアップデートとなる。
Firefox 108のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 108は、図2のようになる。
新規に、Firefox 108をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 108の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- WebページがJavaScriptインポートの動作を制御できるようにするインポートマップが、デフォルトで有効に。
- Windows 11において、バックグラウンドタブにて使用されるプロセスに対し、効率モードが使用されリソースの使用を制限することが可能に。
- [shift]+[esc]キーボードショートカットでProcess Managerが起動。
結果、リソースを使いすぎているプロセスをすばやく特定できるようになった。
- 高い負荷がかかっている際にフレームスケジューリングが改善。結果、FirefoxのMotionMarkスコアが大幅に向上。
また、修正、変更点は以下の通りである。
- ICCv4プロファイルでタグ付けされた画像の適切な色補正をサポート。国際標準化団体のICC(International Color Consortium)によってまとめられた、デバイスごとのカラー特性情報である。ICCv4プロファイルをサポートしないブラウザでは、図8のように表示されてしまう。
テスト画像では、画像の各象限に1つずつ、バージョン4とバージョン2のプロファイルを組み合わせている。
- PDFフォームを保存および印刷する際のASCII以外の文字のサポート。
- ブックマークツールバーのデフォルトの「新しいタブにのみ表示」状態は、空白の新しいタブに対して正しく機能する。以前と同様に、ツールバーのコンテキストメニューを使用して、ブックマークツールバーの動作を変更することも可能に。
- 危険な機能へのアクセスを制御するための新しい実験的メカニズムをサポートし、WebMIDI APIが利用可能に。
UIなどの変更はなかったが、細かい機能が追加・修正されている。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で8件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、4段階で上から3番目の「Moderate」が3件、もっとも低い「Low」が1件となっている。
「High」では、
- libusrsctpライブラリの更新
- 侵害されたコンテンツプロセスから任意のファイルが読み取られる
- Firefox 108、Firefox ESR 102.6で修正されたメモリ安全性の問題
- Firefox 108で修正されたメモリ安全性の問題
などが対応された。新機能については、それほど目新しいアップデートはなかったが、セキュリティアップデートが数が多い。早めのアップデートをすべきであろう。