キヤノンは12月14日、産業用CMOSイメージセンサー「LI5030SAC」などを2023年1月下旬に発売すると発表した。カラー仕様のLI5030SACのほか、LI5030SAM(モノクロ)、LI5030SAI(近赤外線)、LI5030SAN(マイクロレンズ/カラーフィルター非搭載)も用意する。
高感度・高画質・高速を求める産業用途や監視用途に向けたCMOSイメージセンサー。35mmフルサイズで有効画素数は約1,900万画素、画素サイズは一辺6.4μm。
一般的なCMOSセンサーは、センサーから一列ずつ画像を読みだしていくローリングシャッター(ライン露光順次読み出し)が主流だが、原理上、高速で動くものを撮影すると被写体が歪むという弱点がある。本製品はグローバルシャッター(全画素同時読み出し)機能を搭載し、撮影範囲を横切るように移動する被写体の形も歪まず捉えられるため、交通監視や工場のラインを流れる部品の検査などのニーズにも対応できる。
また、画素数の多いセンサーにグローバルシャッターを適用すると読み出しに時間がかかり、映像の場合であればフレームレートが低下してしまうという課題もあるが、センサー内の駆動回路や信号処理回路を高速化し、全画素出力時でも58fpsという高速読み出しを実現した。