高知県は12月1日、「IT人材に関する実態調査」の結果を発表した。調査は10月、IT技術関連職に就く20代〜60代の男女400人(五大都市圏在住の経営者100人、五大都市圏在住のIT人材100人、地方在住の経営者100人、地方在住のIT人材100人)を対象に行われたもの。

  • 経営者が"人材の確保・育成"について、自身の企業の課題だと思うものは?

まず、経営者200人に対し、人材の確保・育成における自社の課題について尋ねた。すると、計72.5%が「人材の確保」において「課題だと思う」(57.5%)または「やや課題だと思う」(15.0%)と回答した。「人材の育成」においても73.0%が「課題だと思う」(54.5%)、「やや課題だと思う」(18.5%)と答えている。

「IT人材の不足」を課題に感じているかについては、71.7%が「そう思う」「ややそう思う」と回答。地域別では、五大都市圏では71.9%、地方では70.4%が課題に感じているという結果となっている。

  • IT人材の不足を課題に感じていますか?

IT人材の不足に課題を抱えていると回答した人に、企業において解決に向けた取り組みをしているか尋ねたところ、「明確な解決策を持って取り組んでいる」と答えたのは17.6%にとどまった。

また、IT人材不足が課題となっている理由について聞いてみると、「優秀な人材(自社の求めるレベルの人材)が見つからないから」が60.2%で最多となった。「他社との採用の競合が激しく確保が難しい」との回答では、五大都市圏では27.5%、地方では14.0%で13.5%の差が見られた。

経営者全体に対し、「IT人材に求めるマインド」を尋ねてみた。すると、1位「向上心の高さ」(61.5%)、2位「ポジティブ思考」(49.5%)、3位「柔軟性」(47.0%)という結果に。

  • IT人材に求めるマインド

また、「IT人材が職場で活躍するために最も必要だと思う能力」については、1位「コミュニケーション能力」(29.5%)、2位「実行力」(26.5%)、3位「論理的思考力」(13.5%)となった。地域別では、五大都市圏では「コミュニケーション能力」(33.0%)、地方では「実行力」(29.0%)が1位となっている。

  • IT人材が職場で活躍するために最も必要だと思う能力

採用したIT人材に関して、採用時に期待していた姿と実際のパフォーマンスにギャップを感じたことはあるかを聞いたところ、新卒採用では53.7%、中途採用では61.1%が「ギャップを感じたことがある」と回答した。

学習意欲の高い従業員に対して、会社としてサポートをしたいと思うかの質問では、88.0%(「そう思う」39.5%、「ややそう思う」48.5%)が、サポートをしたいと感じていることが分かった。

  • 学習意欲の高い従業員に対して、会社としてサポートをしたいと思いますか?

一方で、従業員の学習補助のために支援を行っているか尋ねると、「行っている」と回答した経営者は40.5%で半数を切る形に。地域別では、五大都市圏が36.0%、地方が45.0%となり、地方の方が支援を行っている割合がやや高い傾向が見られた。

次に、IT人材200人に対し、職場以外でITスキルに関する学習を行っているか尋ねたところ、34.5%が「行っている」と回答した。利用している学習ツールは、1位「書籍」(65.2%)、2位「オンラインでの外部講習【無償】」(27.5%)、3 位「自主学習コミュニティ【勉強会等】」(26.1%)となった。

  • 職場以外で、ITスキルに関する学習を行なっていますか?

週に行う平均学習時間については、五大都市圏では平均4.2時間、地方では平均4.6時間となり、地方の方が長めの結果となった。

企業のサポートがなくても積極的にITスキルの学習をしたいか聞いてみると、「そう思う」「ややそう思う」の回答率は五大都市圏では54.0%、地方では56.0%となった。

また、ITスキル学習のために補助制度を整っている企業に魅力を感じるかについては、五大都市圏では64.0%(「感じる」26.0%、「やや感じる」38.0%)、地方は73.0%(「感じる」25.0%、「やや感じる」48.0%)が同意する結果となった。

仕事の拠点を移すことへの抵抗については、10.5%が「抵抗がない」、30.0%が「あまり抵抗がない」と回答。合わせて40.5%が抵抗を感じていないことが分かった。