帝国データバンクは12月8日、「電気料金の値上げ」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は12月2日~6日にかけてインターネットで行われ、1,265社から有効回答を得た。

  • 電気料金の変化率(1年前比)

    電気料金の変化率(1年前比)

ロシアのウクライナ侵攻や円安などによるエネルギー価格の高騰などを背景に電気料金の値上げが相次いでいる。さらに、東北電力、中国電力、四国電力、沖縄電力、北陸電力の5社がすでに2023年4月からの規制料金の値上げを経済産業省に申請している。値上げ幅は3~4割にのぼり、家庭および企業へのさらなる影響が見込まれる。

このような情勢のなか、電気料金の総額が1年前と比べてどのように変化したか尋ねたところ、「【増加】20~40%未満」(34.4%)や「【増加】20%未満」(30.0%)という企業が多く、「【増加】40~60%未満」(12.4%)を合わせると、86.6%の企業で電気料金が「増加」したことが明らかに。電気料金の総額は1年前より平均28.7%増となり、約1.3倍へと増加している。

  • 電気料金の価格転嫁状況

    電気料金の価格転嫁状況

続いて、電気料金の増加分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているかを尋ねたところ、約3割が「多少なりとも価格転嫁できている」と回答。しかしながら、そのうち約半数にあたる15.9%が、電気料金の増加分に対し「2割未満」しか転嫁できておらず、「5割以上8割未満できている」企業は3.5%、「8割以上できている」は1.9%、「すべて価格転嫁できている」企業は2.2%にとどまった。

一方で、「全く価格転嫁できていない」企業は70.4%。総じて、「価格転嫁率」は9.9%と1割未満にとどまり、企業からは「あまり細かく改定実施はできないことからピークが見えてこないと案内しづらい」「卸売業のため電気料金の上昇を理由とした価格転嫁は受け入れてもらいにくく、手の打ちようがない」といった声が聞かれた。

  • 電気料金値上げ・節電要請への対応策(複数回答)

    電気料金値上げ・節電要請への対応策(複数回答)

電気料金値上げ・節電要請への対応策(検討含む)について尋ねたところ、「こまめな消灯」(70.9%)がダントツトップに。次いで「空調などの温度設定の見直し」(47.7%)、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」(31.8%)と続いた。

一方で、企業の13.3%は「稼働・営業時間の短縮」(6.0%)や「休暇取得の推奨」(4.6%)、「始業・終業の時刻を早める」(2.6%)、「在宅勤務の強化」(2.3%)など、働き方を変えるような対応策を実施または検討する企業も。

また、より安い電気料金を求め、「新電力会社から大手電力会社への変更」(4.2%)および「大手電力会社から新電力会社への変更」(4.1%)を実施する企業が約4%見受けられた。