クラウドファンディングの「READYFOR」は、今年9~11月に大井川鐵道が蒸気機関車の動態保存化を目的に挑戦したプロジェクトが8,422万6,200円の支援金を集め、国内鉄道カテゴリークラウドファンディング史上最高記録を達成したと発表した。

  • 大井川鐵道のSL再生プロジェクトが8,422万6,200円の支援金を集めた

大井川鐵道は、兵庫県滝野町(現在の加東市)に展示され、荒廃が進んだことから一度は解体の方針となった蒸気機関車C56形135号機の再生をめざすプロジェクトを実施。同機を引き受けた大井川鐵道が動態保存化に必要な費用の一部として1億円の目標金額を掲げ、9月20日からクラウドファンディングに挑戦した。

プロジェクト公開最終日の前日、11月29日までに集まった支援金額は5,300万円。そこから驚異的なラストスパートを見せ、最終日の23時間で1,256名から2,670万円の支援が集まったという。最終的な支援者数は4,313名となった。

大井川鐵道は「READYFOR」を通して、「最後の1分1秒まで、全国各地のみなさまからのあたたかいご支援と熱い応援のメッセージをいただくことができ、本当に感謝しております。ご支援してくださった皆さま、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました」とお礼のコメントを発表。巨額の支援金が寄せられたことを踏まえ、「当該機の動態化のみならず、当社におけるSL列車運行そのものに対する熱い期待であるという認識を持つとともに、今後も持続的にSL列車を運転し続ける責任を強く感じております」とのコメントも寄せている。

「READYFOR」の担当者も、鉄道会社が新たな取組みや車両の延命、駅舎の修繕や沿線活性化など、さまざまな目的でクラウドファンディングを用いる例が増えていることから、「鉄道収益だけでは厳しい状況が続く鉄道会社に寄り添い、次の一手を共に生み出していきたい」としている。