インテージは12月7日、「2022年 売れたものランキング」を発表した。同ランキングは、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返るもの。

  • 2022年、売れたものランキング

    2022年、売れたものランキング

2022年、売れたものランキングの1位は、「検査薬」だった。新型コロナ3年目となった今年、検査薬は昨年同時期比で277%と大幅に伸長したが、その主因となったのがコロナ用の抗原検査キット。第7波の夏頃から売り上げが伸び、7月に363%、8月には667%にまで続伸し、9月、10月も前年比約4倍に。

同じくコロナ関連で売れたのが市販薬。オミクロン株がのどの痛みが強いなどもあり、5位の「口腔用薬」は136%、咳を鎮めたり痰を喀出しやすくする8位「鎮咳去痰剤」は123%、さらに13位の「総合感冒薬」も113%と、大きく数字を伸ばしている。

2位には「オートミール」(156%)がランクイン。コロナ前の2019年と比べると1280%と、わずか3年で市場が10倍以上にまで拡大。6位は「乳酸菌飲料」(131%)で、コロナ禍のストレス対策や睡眠問題などに効果を訴求した商品が売り上げを引き上げる結果に。また、同じ食品・飲料系から7位「液体だし」(123%)と14位「冷凍水産」(113%)も上位に。家の食事で手軽にワンランク上の料理を作れると、多くの家庭で定着したことがうかがえた。

また、外出増により「鎮暈剤(酔い止め)」(146%)が3位に、「使い捨てカイロ」(123%)が9位に、「日焼け・日焼け止め」(118%)が11位にランクインするなど、withコロナへのシフトがうかがえる結果に。さらに、マスク緩和などもあり4位「口紅」(145%)、12位「ほほべに」(114%)と化粧品も復調した。

そのほかTOP15には、10位「カビ防止剤」(121%)、15位「サラダ油・天ぷら油」(113%)がランクイン。「サラダ油・天ぷら油」は最も値上げが顕著な商品の1つで、容量が6%も落ちているにもかかわらず、販売金額は10%以上も増えていることが明らかに。その価格は、今年10月の時点で本格的な値上がりが始まった2020年平均と比べて1.8倍にまで上昇している。

  • 2022年、金額前年比下位ランキング

    2022年、金額前年比下位ランキング

一方、販売が苦戦したものランキングでは、「殺菌消毒剤」が前年比82%で1位に。以前より利用頻度や持ち運んでいる人が少なくなっているよう。続く2位は「体温計」(83%)で、昨年よりは減っているものの、コロナ前に比べると201%と大きく伸びている。また、ダウントレンドが続く、3位「洗濯のり」(84%)、4位「海藻サラダ」(87%)、8位「米」(88%)なども上位に。

そのほか、5位「住居用ワックス」(87%)、6位「しわ取り剤」(88%)、7位「エッセンス類」(88%)、9位「インスタントクリーム」(88%)、10位「新ジャンル(アルコール)」(89%)、11位「ガラスクリーナー」(89%)なども売り上げを落とした。