ホンダは2024年春に新型電気自動車(EV)を発売する。バンタイプの軽商用車「N-VAN」をベースとする軽商用EVだ。価格はガソリン車と同等の100万円台からを予定。航続距離は200kmを目標とする。それにしても、なぜホンダは最初の軽EVを商用車で作ろうと思ったのだろうか。

  • ホンダの軽商用EVプロトタイプ

    「N-VAN」ベースの軽商用EV(プロトタイプ)

仕事にも趣味にも使える手ごろなEV?

2050年までに全製品と企業活動でのカーボンニュートラルを実現すると宣言したホンダ。四輪車では2030年までにグローバルで30種類のEVを展開する方針だ。日本市場では「人びとの生活を支え暮らしに欠かせないクルマ」として重要な軽自動車でのEV普及に優先して取り組むとしている。中でも商用車は、環境負荷低減の観点で企業の電動化に対するニーズが非常に高いというのがホンダの見方。こうした観点から、まずは軽商用EVを投入することにした。

新型軽商用EVのベースは、2018年発売の軽商用バン「N-VAN」だ。大容量の荷室空間、助手席側のセンターピラーレスが実現する荷室空間の使い勝手の良さ、アレンジ力の高さが特長で、「仕事も趣味も自分らしく生活を楽しみたい」という顧客から好評だという。

  • ホンダ「N-VAN」

    こちらは現行型「N-VAN」の画像。助手席ピラーレスの構造による大開口が特徴

新型車ではN-VANの使い勝手を踏襲しつつ、EVならではの高い静粛性や、ストップ&ゴーの多い交通環境に適した力強い加速を実現するという。需要の高まっている街中でのラストワンマイル配送などの商用利用に加え、個人ユーザーの日常使いにも対応可能なEVを目指して開発するとのことだ。

航続距離は200kmが目標。商用利用はもちろん、日々の買い物や通勤・通学、趣味での活用などにも十分に対応できる実用性を目指す。価格はガソリン車と同等の100万円台からの設定とする。2024年春の発売までにさまざまなビジネス現場で実用性の検証を行い、軽商用EVとしての使い勝手を磨き上げ、商品性を高めていく意向だ。