自己紹介時や故郷について話す際などに、よく聞く「出身地」という言葉。日常会話でもビジネスシーンでも使う表現ですが、意味や「出生地」などとの違いを理解できていますでしょうか?
本記事では、「出身地」の意味や定義、「出生地」「本籍」などの言葉との違いについて解説します。また、「出身地」の類語や英語表現などもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「出身地」とは?
まずは、「出身地」の読み方や意味などを確認してみましょう。
「出身地」の読み方
「出身地」の読み方は「しゅっしんち」です。特別難しい読み方をする単語ではありませんが、もし間違えて理解してしまっていた場合は覚え直しておきましょう。
「出身地」の意味や定義
「出身地」は、「その人が生まれ育った土地」を意味する言葉です。
「生まれた土地」だけではなく「育った土地」というニュアンスも含んでいますので、「子どものころに長く住んだ土地」や「人格形成に影響を与えた土地」の意味で使われることもあります。
「生まれた土地」「育った土地」「生まれ、育った土地」の3パターンの解釈ができる言葉のため、人によって定義が異なる場合があるようです。
「出身地」の類語
言葉の意味をより深く理解したり使い方のポイントを把握したりするためには、類語を知ることが効果的です。
「出身地」には似た意味を持つ言葉がいくつかありますので、それぞれの意味や使い方などを確認しておきましょう。
(1)郷里(きょうり)
「郷里(きょうり)」は、「生まれ育った土地」や「ふるさと」といった意味の言葉です。
「むらざと」や「村落」などのニュアンスも含むため、田舎にある故郷に思いを馳せるシーンなどで使われることが多いでしょう。
例えば、「30年経って私の郷里はずいぶん変わってしまった」、「郷里の父が心配なので、毎週電話するようにしている」などのように使用します。
(2)国
「国」には、「国家」や「地方」「地域」などの意味のほかに「生まれ育った土地」という意味もあり、「出身地」の類語として使えます。
帰省する際に「お正月には国へ帰ります」などの表現をしたことがある人もいるでしょう。また、「国は福島です」のように、故郷を紹介する場面でも使用できます。
(3)ホームタウン
プロスポーツチームの本拠地などについて話す際に、「ホームタウン」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。
ホームタウンは、「住んでいる町」や「故郷の町」という意味でも使えますので、「出身地」の類語表現といえます。
英語を起源とする外来語のため、英会話で使うことの方が多いかもしれませんね。
(4)産地
「産地」は「物品を産出する土地」を意味しており、「野菜の産地」や「産地直送」などの使い方をする言葉です。
「出身地」とは少しニュアンスが違うようにも感じますが、「人の生まれた土地」や「出生地」という意味もあります。
ただし、「出生地」の意味で使われる場合は俗語的な表現となりますので、状況や場面を見極めた上で使用した方がいいでしょう。
「出身地」と「出生地」や「本籍」の違い
「出身地」と似た意味の言葉に、「出生地」や「本籍」などがあります。これらの言葉は混同されることも少なくありませんが、実際の意味や使い方は大きく異なります。
ここからは「出身地」と「出生地」や「本籍」の違いについて解説しますので、使い分けができるようにポイントを押さえておきましょう。
「出身地」と「出生地」の違い
「出生地」とは「出生した土地」のことであり、文字通り「生まれた土地だけ」を意味しています。
具体的には、生まれた病院や自宅などがある住所のことを指しており、「出生地」は戸籍謄本にも記載されます。
一方、「出身地」は前述した通り「育った土地」も含みますので、「出生地」と同じニュアンスで使えないこともあるでしょう。
例えば「生まれは大阪だけど東京で育った人」の場合、「出身地」を東京ということはできますが、「出生地」を東京とすることはできません。
2つの言葉の違いを理解し、正しく使えるようにしておきましょう。
「出身地」と「本籍」の違い
「出身地」と「本籍」が同じだと思っている人も少なくはありませんが、「本籍」は「生まれ育った場所」を示す言葉ではありません。
「本籍」は実際の居住地や郷里などに関係なく定められるものであり、日本国内のあらゆる場所から自由に選べるのです。
転籍も好きなように行えるため、本籍が生まれ育った場所と異なるケースもあることを覚えておきましょう。
「出身地」を即答できないケースも
「出身地」は日常生活でよく使う言葉ですが、「生まれた場所」と「育った場所」の2つの意味が含まれていることから、答え方に困る人も少なくはありません。
ここからは、「出身地」を即答できないケースに関して解説していきます。
親が転勤族の場合
「出身地」を即答できない代表的なケースとして、親の都合で小さなころから引越しを繰り返した人の例などが挙げられます。
このような人は「生まれ育った土地」がたくさんあることから、回答の仕方に悩んでしまうのかもしれません。
一般的には「最も長く過ごした場所」や「人格形成に大きな影響を与えた土地」が「出身地」となることが多いようですので、自分なりに出身地と呼ぶに相応しいと感じる場所を選ぶといいでしょう。
里帰り出産で生まれた場合
里帰り出産の人も「生まれた場所」と「育った場所」が複数ある形になりますので、人によっては「出身地」の答え方に困ってしまうものです。
この場合も「子ども時代の大半を過ごした場所」や「自分にとって影響が大きかった土地」を考慮し、「出身地」にするといいでしょう。
なお、「出生地」は必ず「親が里帰りして出産した場所」になりますので、その点には注意が必要です。
「出身地」「出生地」「本籍」の使い方と例文
「出身地」は、日常会話でもビジネスシーンでも使用する機会が多い表現です。
初対面の人や取引先と会話する際に「出身地」について尋ねられたり、「出身地」が同じ人と会話が盛り上がったりすることもあるでしょう。
また、「出生地」や「本籍」などは、役所などで使う機会が多々ある言葉です。
重要な場面でそれぞれの言葉を誤用しないようにするためにも、例文で使い方を確認しておきましょう。
「出身地」の例文
・私の出身地は大阪府の堺市です。
・出身地が同じなので、親近感を覚えます。
・「出身地はどこですか?」と聞かれると、物心ついたころから住んでいる福岡だと答えますが、生まれは大阪です。
「出生地」の例文
・北海道で一番長く暮らしましたが、出生地は東京です。
・出生届を出した場所が、出生地となります。
「本籍」の例文
・本籍地は住民登録のある区市町村で、「本籍地を記載した住民票」を請求することで確認できます。
・本籍を変更する場合は、転籍届を提出しなければなりません。
「出身地」の英語表現
仕事で英語を使ったり外国人の知り合いが多かったりする人の中には、「出身地」の英語表現を知りたい人もいるでしょう。
出身地は、「birthplace」や「hometown」などで表現することが可能です。例えば、「My birthplace(hometown) is Nara」で「奈良が出身地です」となります。
また、「come from〜」を使っても「出身地」を表すことができ、後ろに地名を入れることで「〜(地名)出身です」となります。
それぞれの単語や表現を覚えておき、会話にて使用できるようにしておきましょう。
「出身地」と「出生地」の違いや使い方を理解しておこう
「出身地」は、「その人が生まれた土地と育った土地」を意味する言葉です。
定義が人によって異なる場合があり、例えば親の仕事の都合で引越しを繰り返した人などの中には、「出身地」を即答できない人もいるでしょう。
なお、似た言葉に「出生地」や「本籍」などがありますが、それぞれの意味や使い方は異なります。
「出身地」と「出生地」などとの使い分けや、「出身地」の類語・英語表現などを覚えておき、正しく使用できるようにしておきましょう。
江戸川区「本籍地がわからないのですが、教えてもらえますか。 」