帝国データバンクは12月6日、予約販売が本格化する2022年冬シーズンの「クリスマスケーキ」価格の調査結果を発表した。

  • クリスマスケーキの平均価格は約200円アップ

物価高騰や円安による値上げの波が「クリスマスケーキ」にも及んでいる。全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、著名な洋菓子店など計100社で販売される2021-22年シーズンで比較可能なクリスマスケーキの価格(苺ショート・5号サイズ、税別)を調査した結果、今年の平均価格は前年(3,831円)から約5%・209円アップの4,040円となった。

  • クリスマスケーキの平均価格の推移

背景には、店頭価格ベースでも1.5倍に上昇した小麦粉(強力粉)のほか、イチゴなどのフルーツや砂糖、牛乳、鶏卵など原材料のほとんどが値上がりしていることがあげられる。

また、10%程度値上がりしたテイクアウト用の化粧箱や食品フィルムなどの資材費、さらに電気・ガス代、物流費なども高騰していることから、前年価格から10%以上の大幅な値上げに踏み切ったケーキが目立った。

調査対象100社のケーキのうち、値上げをしたのは79社だった。前年から価格が上昇したケーキの値上げ幅として最も多いのは「200円台」(23社)で、特に量販店やスーパーなどで販売される3,000円台のケーキに多い。

  • クリスマスケーキの「値上げ幅」動向

次いで多いのが「300円台」(19社)で、イチゴやチョコレートを多く使用した4,000~5,000円台の中高価格帯ケーキが目立った。「100円台」は16社、「500円台」は10社、「400円台」は5社となった。店頭価格が前年から変わらない「据え置き」は21社だった。

値上げの要因は、原材料費の高騰をあげる企業が多く、「今回の値上げは最低ライン」など、今後もやむを得ず価格転嫁せざるをえないとった声が多かった。また、値上げのショックを和らげるためイチゴを増量したものの、「粗利益を削っておりかなり厳しい」といった声も聞かれた。

値段据え置きの場合、コスト削減などで対応し「戦略的に値上げしていない」などのケースがみられた。