子どもの忘れ物。きっとどのご家庭でも経験があるはず。全然なくならないと悩んでいる親御さんも、このツイートを見たら少しは楽になるのではないでしょうか。

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私の経験上ほぼ間違いなく言えるのは、「子どもの忘れ物を責めても、子どもの忘れ物は減らない」という事です。
(@kodokanchildpsyより引用)

とても共感できるとともに、ハッと気づかされるこのツイートの投稿主は、子どもの精神科看護師「こど看さん」(@kodokanchildpsy)。親や子どもがどれだけ気をつけていたとしても、なにかしら忘れてしまうことがあります。大人でも忘れ物をしてしまう時があるのだから、子どもに対して「忘れ物をするな」と言うのも無理がありますよね。

こちらのツイートに対し、「だから今日、娘は水筒を。息子は弁当を忘れたのですね」「自分もよく忘れ物するからなぁ」「忘れ物をしたくないのにしてしまう。好きで忘れ物してる訳ではない」といった声が寄せられています。

「忘れたら放課後ダッシュだったなぁ」「小学校の頃に給食当番着や体操着を忘れたときの『絶望感』を思い出した」「小学生の頃忘れものNo. 1でクラス発表されました」など、昔の経験を話される方もいました。筆者も中学生の頃、忘れ物をした時に個別で呼ばれ、なぜ忘れたのか問いただされたことがあります。コメントにもあるような、あの「絶望感」を覚えている方も多いのではないでしょうか。

また、忘れ物をした時の対処法として、以下のようなコメントも。

「忘れ物が減らない子どもは『親に伝える』が大切。家庭内での協力が不可欠」

「うちの子も毎日忘れ物をしていましたが、本人と一緒に対策を考えました」

「忘れ物をしても言い出せずモジモジしている子へ『気付いたらすぐ教えてね、そしたら対処できるよ〜』と伝えています」

こど看さん(@kodokanchildpsy)にさらに詳しくお話を伺いました。

ーー子どもが忘れ物をした時、どんな風に声がけしたり接したりするのがいいと思われますか?
色々と考えられるのですが、まずは「その子が忘れ物をしてしまうような環境ではないか? 」と考えます。そのうえで、「オッケ〜い、そんじゃあどうしよっか? 」的な感じで声をかける事が多いですかね。「人類であれば誰でも忘れ物はするよね」というスタンスで、忘れ物をしたという状況を反省させるのではなく、今この状況をどうやって乗り切るか、次に忘れ物をしないためにどういった工夫ができるのかを一緒に考えて実行できるように促すという事です。

また、「次は絶対に忘れないように」のような精神論は、子どもを「忘れ物をする自分がダメなんだ」という自責に追いやってしまったり、「次は絶対に忘れられない」というプレッシャーでまた忘れ物が発生するなどの可能性があり、避けるべき対応だと思っています。

ーー次はどうすれば良いのかを一緒に考えることが大切なのですね。
いずれにしても、子どもの忘れ物を減らす事を主な目的にして対応しないことが大切だと思っています。忘れ物をした事で焦りや不安、怒りを一番に感じているのはその子自身かもしれないので、「忘れ物は減らすものではなく減っていくもの、そしてゼロにはならないもの」と考え、現実的な対応をしつつも、忘れ物をした時に子どもが自分自身を責める気持ちをフォローした上で、子どもの自信を失わせない関わりを意識しています。

具体的な声掛けを提示できないのは申し訳ないのですが、「この声掛けをすれば子どもの忘れ物が減る! 」という声掛けはなく、あくまでその子に合った声掛けを、関わりの中から見つけ出していく感覚を大切にしています。その作業が児童思春期精神科看護なのかもしれませんね。

ーー小児精神科の看護師をされているということですが、普段子どもと接する上で大切にしていることや気をつけていることがあれば教えてください。
普段心がけている事はこちらのツイートにもある通り「お寿司最高かよ」です。おそらく私のアカウントで最もバズったツイートで、普段子ども達と関わっている時の意識を箇条書きに落とし込んで入れ替えたら偶然「お寿司最高かよ」にたどり着いたのです。

私がその中でも大切にしているのは「脅かさない(おびやかさない)」という項目です。大人である私達は、身体的、精神的、経済的……様々な側面で大人は子どもを上回っている事が多く、子どもをいつでも脅かす事ができてしまう立場であるという事を忘れてはならないと思うんです。それを忘れてしまったら、いつの間にか子どもとの関係性が「脅かす/脅かされる」という関係性に変わってしまう可能性があるのです。

また、私が関わる子どもの多くは「この人は大丈夫かな? 」と不安になりながら日々を過ごしています。だからこそ、まずは「この人、多分敵じゃないっぽい」と思ってもらうために、「脅かさない」を常に意識して子ども達と関わっています。

ーー今回のツイートに多くの反響が寄せられていますが、率直な感想を教えていただけますでしょうか。
私も忘れ物は多い……というかめちゃくちゃ多いので、多くの共感をいただき嬉しく思っています。


「お寿司最高かよ」の項目「すぐに助言しない」「余計な一言を言わない」などは気をつけていないとついつい出てしまいそうです。

常に意識して子どもとコミュニケーションを取っていきたいですね。