イギリス国内の映画産業の促進を目的とする英国映画協会が、現地時間12月1日、10年に1度更新される「The Greatest Films of All Time(史上最高の映画)」を発表し、ネット上で注目を集めている。

  • 英国映画協会「史上最高の映画」 10年ぶり更新の2022年版を発表、ネット「東京物語は名作」「アケルマン!」

    10年ごとに更新される「史上最高の映画」2022年版が公開される

「The Greatest Films of All Time(史上最高の映画)」は、映画評論家や研究者などが投票を行い、ランキング形式で史上最高の映画を紹介するというもの。1952年に同協会が刊行する「Sight and Sound」誌で初めて公開して以来、10年ごとに発表するという伝統が続いている。年々規模が大きくなっており、8回目となる今回は1,639人の映画批評家や研究者などが投票を行った。

2022年版で1位に輝いたのは、ベルギー出身のシャンタル・アケルマン監督の「ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディールマン」だった。1952年以来、女性監督の作品がトップ10に入るのは初めてだそう。2012年に発表された前回の「The Greatest Films of All Time(史上最高の映画)」で1位だったアルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」が、今回は2位にランクインしている。3位はオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」だった。

なおランキングには、日本人監督の作品も多数ランクインしている。4位に小津安二郎監督の「東京物語」、41位に黒澤明監督の「羅生門」、72位に宮崎駿監督の「となりのトトロ」、75位に溝口健二監督の「山椒大夫」が入るなどした。

このほか、世界の主要な映画監督の投票による「Directors’ 100 Greatest Films of All Time(監督による史上最高の映画100選)」も発表。これは、1992年から開始したもので、4回目となる今回はマーティン・スコセッシ監督や、ポン・ジュノ監督など480人の監督が投票を行ったという。結果として1位に輝いたのは、スタンリーキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」。ちなみに2位は「市民ケーン」、3位は「ゴッドファーザー」。日本映画では4位に「東京物語」、14位に「七人の侍」などが入った。

ネット上では「アケルマン!」「『東京物語』は名作だからなぁ」「意外すぎる」などの声が寄せられた。