チェコのゲーム会社・Bohemia Interactiveが、自社ブログとYouTubeにて、戦争ゲームの映像と、実写映像とを見分ける方法を公開している。フェイクニュースに踊らされないよう一読する価値があるだろう。
同社の軍事シミュレーションゲーム「Arma 3」は、2035年の近未来的な架空の紛争を舞台としているが、ユーザーが作成するプログラム・MODを適用し新しい地形や、武器、シナリオを作成できる。この自由度の高さからフェイクニュースの映像として悪用されケースが多く、今回それに対処するために見分け方を公開したそうだ。
具体的な識別方法は、偽物の動画は画質をかなり落とし、ゲーム映像であることを隠すため意図的にぼやけさせていたり、ドラマチックに演出するためにゲーム画面を撮影し、手ブレを大きくしていたり、音声を消していたりすることが多いので、これらのポイントに注目するとわかりやすいとしている。また、軍用車両の動きは比較的リアルに再現できるが、一方で人間の動きを自然に再現するのは、最新のゲームであっても非常に困難であり、偽物の動画には動いている人がでてこないという特徴もあるそうだ。
このほか、爆発や、煙、炎などが環境にどのように左右されるかを完璧に再現することは困難であったり、高度な軍事装備に関する知識を持つ人にとっては、ある紛争で非現実的な軍事装備が使われていることに気づいたりすることもあるという。
同社のPRマネージャーであるパヴェル・クリジュカ氏は「実際の戦闘映像と間違われて戦争のプロパガンダに利用されることは、喜ばしいことではありません。私たちは、フェイクニュース映像の拡散に対処するために、大手メディアやファクトチェッカー企業と積極的に協力することが最善の方法だと考えています」と語っている。