ダイキン工業は12月5日、「節約・節電に関する実態調査」の結果を発表した。調査は11月24日〜25日、全国の男女530人を対象に行われたもの。

  • 物価高や電気代の上昇によって、家計への負担増加を感じていますか?

まず、様々なものの値段が上昇している中、家計への負担増加を感じているか聞いたところ、56.6%が「とても感じている」と回答した。「少し感じている」(35.9%)と合わせると、合計で9割以上が負担増加を感じている事が分かった。

家計の中で節約したいと思っている費用の種類を聞いたところ、最も多かったのは「電気代/ガス代/水道代」で62.6%となり、「食費」(48.3%)を抑えての首位に。性・年代別でも「電気代/ガス代/水道代」を節約したい人の割合はいずれも1位となっており、40代女性では77.4%と特に高くなっていた。

  • 家計の中でどの費用を節約したいと思いますか?

節約・節電のために実際に行っている具体的な工夫については、「使わない照明や家電の電源を消すようにしている」が46.6%で最多となり、そのほかには「特売の食品を買ったり、品数を減らしたりしている」(42.5%)や「外食の頻度を減らしている」(38.9%)などが上位となっている。

  • 節約・節電のために、どんな工夫をしていますか?

今年の夏の電気代について思っていたより高かったと感じたか尋ねると、64.5%が「高いと感じた」と回答した。また、夏と冬でどちらの電気代の方が高いと思うかについては、29.8%が「夏の方が高い」、18.3%が「同じくらいだと思う」と回答。合計で約半数(48.1%)が夏の方が高いもしくは同程度と答えている。

  • 夏と冬でどちらの電気代の方が高いと思いますか?

しかし、実際には冬の方が電力消費量は上がる傾向にあるほか、10月から電力大手10社全てで電気料金が最高水準に達している。冬の電気代は、今年の夏以上に高くなると想定され、冬本番への節電対策が重要となってくるという。

冬において自宅で使用している暖房器具を聞いたところ、75.1%が「エアコン」と回答した。

  • 自宅で使用している暖房器具は何ですか?

この冬に光熱費節約のため暖房器具の使い方を工夫しようと思うか尋ねると、暖房器具を使用している人のうち85.2%が「工夫しようと思っている」と答えた。

一方で、「工夫しようと思わない」と回答した14.8%に対し、その理由を聞いてみると、「節約よりも快適性を重視して生活したいから」が38.2%で最も多く、次いで「効果がわかりづらい/効果が小さいと感じるから」が17.1%、「工夫のしかたがわからないから」が14.5%で続いた。

  • 工夫しようと思わないのはなぜですか?

同社では、以下の「エアコン暖房による簡単節約術」を紹介している。

暖房時は、設定温度をたった1℃下げるだけで約10%もの省エネ

エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、設定温度を1℃下げると約10%の節電になるとされています。暖房時の室温は、健康的な暮らしをする上での最低限の温度とされている18℃以上(エアコンの設定温度ではなく、室温が18℃以上になっている状態)を目安として、寒く感じる場合は少し厚着をするなどで調整しましょう。寒さを感じやすい首・手首・足首などをタートルネックやレッグウォーマーなどで保温するのもおすすめです。

湿度が上がると体感温度もアップ

人の体感温度は湿度によって変わります。冬時期は意識的に加湿することで体感温度を上げることができます。湿度の目安は40%~60%です。湿度が40%を下回るとウイルスが活発化したり、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすくなったりすると言われています。加湿器や加湿空気清浄機、加湿できるエアコンなどを使って上手に湿度コントロールしましょう。湿度を保って体感温度を上げることで、エアコンの設定温度の上げ過ぎも抑えられます。

空気の性質による温度ムラを抑えて、設定温度の上げ過ぎを抑える

暖かい空気は上昇する性質があるため、室内の天井側と床側には温度ムラができやすくなります。一般的にエアコンの温度センサーは室内機にあり、天井側の空気が設定温度に到達すると、床側がまだ暖かくなっていなくても運転を弱めてしまいます。こうした場合にエアコンの設定温度を上げて床側を暖めようとすると、その分、消費電力が増加します。空気清浄機、サーキュレーター、扇風機などで天井と床の空気を撹拌し、温度ムラを抑えましょう。特に加湿空気清浄機を使用すれば、空気の撹拌と加湿、空気清浄を同時にできるので一石二鳥です。

こまめなオンオフは避け、短時間の外出であれば"つけっぱなし"にする

エアコンは、寒い部屋を一気に暖める時に、多くの電気を使います。設定温度まで暖めた後、その設定温度を維持している時は、寒い部屋を暖める場合と比べてとても少ない電気ですみます。「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気のムダ使いになる場合があります。部屋にいる時はスイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。

定期的に室内機のフィルターをキレイにし、風の通りをよくする

エアフィルターは、空気中のホコリが室内機の内部に入らないようにするための部品です。エアコンを長時間使った分だけエアフィルターにはホコリが堆積します。ホコリをそのままにしておくと、風の通りが悪くなり、消費電力の増加につながります。また、エアフィルターのホコリを放置することで、ホコリがエアフィルターの内側に入りやすくなり、熱交換器の汚れやニオイ、ドレン配管の詰まりにつながる場合もあります。なお、エアフィルターの自動お掃除機能が搭載されたエアコンには、ダストボックスが格納されたタイプもありますので、ダストボックスのお手入れも忘れずに行いましょう。

エアコンの省エネ性能を意識して、環境負荷や電気代も把握する

エアコンは機種によって省エネ性が異なります。省エネ性が高いほど年間にかかる消費電力量が抑えられ、環境負荷や電気代も変わってきます。エアコンの省エネ性や消費電力量は各メーカーのカタログなどで確認できます。省エネ性の高さは「通年エネルギー消費効率(APF)」や「省エネ基準達成率」が目安になります。年間にかかるおおよその消費電力量は「消費電力量期間合計(年間)」が目安で、これに新電力料金目安単価「31円」を掛けると、大まかな年間の電気代も算出できます。エアコンは10年間の使用を想定して設計されています。次に買い換える時までの消費電力量や電気代をあらかじめ計算し、「環境」「快適性」「費用(初期費用と電気代)」の観点でエアコンを選ぶことも大切です。