日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)は、パワータイプや軽量タイプなど多彩なコードレススティッククリーナーを発売しています。これまではコードレスクリーナーの集塵方式にサイクロンを採用していましたが、2022年12月に発売予定の新製品「かるパックスティック PKV-BK3K」(以下、PKV-BK3K)は、コードレススティッククリーナーとしては珍しい紙パック式です。
しかも、重さは標準ヘッド装着時で1.1kgと超軽量。紙パック式は「吸引力が持続しない」というイメージがありましたが、新製品はどうか? プレス向けの体験会で実際にチェックしてきました。
紙パックなのに「吸引力が長く続く」理由とは?
一時期は高機能クリーナーといえばサイクロン方式が全盛でしたが、今はあえて紙パック式を選択するユーザーも増えています。
サイクロン式は「ゴミが溜まっても吸引力が続く」「ランニングコストがかからない」といった点がメリット。一方の紙パック式にも、「ゴミ捨てが簡単」「ホコリが舞わない」「ダストビンの掃除が不必要」など、複数のメリットがあります。新製品のPKV-BK3Kは、この紙パック式のメリットと、日立のコードレススティッククリーナー「ラクかるスティック」シリーズの軽さと機能性を合わせた製品です。
紙パック式の掃除機で気になるのは、「ゴミが溜まると空気の通り道がふさがれて、吸引力が落ちる」というデメリット。今回、日立は紙パックをセットする空間に風が流れる複数の通り道「パワー長持ち流路」を作ることで、吸引力が持続する工夫をしています。
一般的な紙パック式の掃除機は、ゴミが紙パックの底に溜まっていき、紙パック底から風が抜けなくなって吸引力が落ちます。PKV-BK3Kのパワー長持ち流路は、紙パック底から空気が抜けにくくなると、ゴミが溜まっていないパックの上部側面から空気が抜け、「パワー長持ち流路」から風が排気口まで通り抜ける仕組み。このため、紙パックがゴミで満タンになるまで、常に一定以上の吸引力を確保できるといいます。
日立は紙パック式のキャニスター掃除機も多く発売しており、今回のPKV-BK3Kにもキャニスター掃除機で好評の機能を取り入れています。そのひとつは、満タンになった紙パックを取り出しやすくする「紙パックするりん構造」です。一般的に、紙パックが満タンになると、紙パックがふくらんで掃除機本体から取り出しにくくなります。PKV-BK3Kの場合、紙パックを取り出すときに、紙パック底部のフィルターが一緒にスライドし、本体から簡単に引き抜けます。
さらに純正紙パックは、引き出すときに吸引口を自動的にシール状のフタで密閉できる構造。満タンになった紙パックを取り出すとき、中のゴミやホコリがこぼれ落ちにくい「こぼさんパック」を採用しています。
便利機能も継続して搭載、ほぼ同スペックのサイクロン式も
PKV-BK3Kは軽量タイプのクリーナーながら、日立ならではのさまざまな便利機能を備えています。たとえば、ヘッド前面には白と緑のLEDライトを配置し、床の上で見えにくいゴミを見えやすくする「ごみくっきりライト」を搭載。
緑色LEDの明かりは人間がもっとも明るく感じる波長に近いため、ゴミと床の明暗が大きくなります。暗い場所はもちろん、明るい場所で見えにくかったゴミも、しっかり浮かび上がるように見えます。たとえばソファの下などを掃除しようとすると、LEDで照らされて「こんなにホコリが!?」とビックリすることもあります……。
このほか、髪の毛といった糸状のゴミがヘッドブラシに絡まりにくい「からまんブラシ」、ヘッド裏のフラップ開閉によって押すときも引くときもゴミを吸う「シンクロフラップ」など、掃除に便利な機能を搭載しています。
なお、2022年12月中旬にPKV-BK3Kと同じく重さ1.1kgの新製品「ラクかるスティック PV-BL1K」も発売する予定です。こちらは集塵方式にサイクロンを採用しています。推定市場価格は71,000円前後で、PKV-BK3K(82,000円前後)よりも少し低価格ですが、PKV-BK3Kと同じモーターを採用しており吸引力はほぼ同等。ただし、スタンドなどの付属品が一部ないほか、ヘッドにごみくっきりライト機能とシンクロフラップ機能を搭載しない「自走コンパクトヘッド」となります。