KDDIは12月5日、通信衛星「Starlink」(スターリンク)を用いたauエリア構築システム「Satellite Mobile Link」を、北海道新幹線のトンネル工事を進める清水建設が採用したと発表した。Satellite Mobile Linkの国内での採用は同社が初めて。
Satellite Mobile Linkは、米Space Exploration Technologies(スペースX)社の通信衛星であるStarlinkとの通信をau基地局のバックホール回線として使うことで、基地局の周囲がauの通信エリアとなる仕組み。一般的なau基地局とは異なり、光ファイバー敷設の工事が必要なく、電源さえ確保できれば基地局が設置できるため、離島や山間部にも導入しやすくなるのが特徴。
今回、清水建設が工事を進めている北海道新幹線の渡島トンネル上二股工区にSatellite Mobile Linkを設置し、12月19日から運用を開始する。この工事現場は携帯電話の通信エリア外で、通信可能なエリアまで10分もかけて移動する必要があったが、今回のSatellite Mobile Linkの整備により工事現場で通話やデータ通信が可能になる。作業の効率を高めることで働き方改革の推進にもつながり、従業員の満足度向上も期待できる。
KDDIは、Starlinkを利用したau携帯電話の基地局の運用を、離島の初島(静岡県熱海市)で12月1日から開始している。今後、さまざまな場所でStarlink利用のau基地局が使われることになりそうだ。