京浜急行電鉄は4日、京急蒲田駅2番線にて、1000形1890番代「Le Ciel」のブルーリボン賞受賞式を開催した。ブルーリボン賞は鉄道友の会により、会員の投票と選考委員会の審議を経て最優秀と認められた車両に贈られる。
鉄道友の会は同車両について、京急電鉄で初めて「L/C腰掛」(ロングシート・クロスシートの切替え可能な座席)やトイレなど備え、通勤・通学だけでなく観光・イベント等の新たな車両用途を模索したほか、最新水準の機器類を積極採用した上で実績ある安定した仕様も踏襲し、チャレンジングな姿勢と堅実性を兼ね備えたトータルバランスに優れた車両と評価。2022年の鉄道友の会ブルーリボン賞に選定した。
この車両は一般公募により、「Le Ciel(ル・シエル)」の愛称を付けられた。命名した「風の谷のさてう」氏も式典に参列した。京急蒲田駅2番線に入線した「Le Ciel」は、車体前面にブルーリボン賞受賞記念のヘッドマークが掲げられ、車体側面にもステッカーを掲出。運転台付近の車内壁面にブルーリボン賞の受賞プレートも取り付けられた。
受賞式で挨拶した鉄道友の会会長、佐伯洋氏は、「Le Ciel」について「京急らしい」「いままでになかった新しい電車」とコメント。実際に乗った上で、「楽しい感じの車内です」と感想を述べた。ブルーリボン賞の選考委員長を務めた加藤幸弘氏は、「会員の支持率が51.6%で、2位との間に顕著な差がありました」と、「Le Ciel」に圧倒的な支持があったことを説明。「内外装ともに従来の1000形とは一線を画しています」とし、「完成度はきわめて高いと考えます」と絶賛した。
この車両を製造した総合車両製作所の取締役社長、西山隆雄氏は、京急電鉄の「さらに美しくしたい」との要望を受け、下塗りの際の細かさについて説明した。連結面の塗装もこだわったという。「京急の車両への愛情を感じてほしい」と語った。
京浜急行電鉄の取締役社長、川俣幸宏氏は、賞への感謝を述べた後、コロナ禍の影響もあって移動のスタイルが新しくなったことについて触れた。快適さへの志向が利用者にある中、「新たな価値の中で活躍してもらいたいと考えています」と、今後の「Le Ciel」への抱負を述べた。
当日は鉄道友の会の会員らも会場に多く集まった。ブルーリボン賞受賞式の後、記念の貸切列車ツアーも行われ、「Le Ciel」は貸切列車として京急蒲田駅から久里浜工場まで走行。久里浜工場到着後、写真撮影会が行われたという。