女優の戸田恵梨香が主演を務める、映画『母性』(11月23日公開)のスペシャル対談映像が2日、公開された。
同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母(戸田)と愛されたい娘(永野芽郁)の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。
この度、娘を愛せない母ルミ子を演じた主演の戸田と、原作者・湊かなえによる対談が実現。湊作品への出演はドラマ『花の鎖』(13年)、『リバース』(17年)に続いて3度目となる戸田について、湊“ファミリー”と呼ぶほど激賞。本作『母性』における戸田の演技を観た湊は「完成した映画で戸田さんを一目見て、この人は今まで何を背負ってきたのだろう? という表情に、ガシっと心を掴まれて鳥肌が立ちました」と話し、また「あの表情ひとつですごいものを背負ってきたことがわかりました。セリフも何もいらないんだ、もうルミ子だ! と思い、本当にゾクゾクしました」と太鼓判を押す。
そんな湊の言葉に胸を撫でおろした様子の戸田は「ルミ子の人生が壮絶過ぎて、私自身の人生にはとてもかなわない重さと経験なんですよね。その説得力を持たせられるかは不安でしたし、未知の世界でした。それを成立させるにはどのようにすればいいのだろうかと、ものすごく理論と理屈を考え抜いてやっていました」と語り、また「今回は感情だけでは成立させられない。ましてや自分の目線だけではなくて、娘からの目線もあって、その娘からの目線ではどのように見えているのかという客観視も必要でした。本当に頭を鍛えられた現場でした」と難役に挑んだ現場での様子を回顧。本作を象徴する、同じ出来事でも母・ルミ子の視点と娘・清佳の視点による証言の違いが交錯してまったく違う真実が浮かび上がるという構造についても、湊は戸田の絶妙な演じ分けに感動したそうで「一つ一つの表情やセリフの言い方などから、正解はこれだったのだと、逆に私が教えてもらった気がしました」と熱く語る。
「特に今回のルミ子は今までに見たことのない戸田さんを見せていただけたと思っています。戸田さんの可能性、新しい扉をまた一つ見せてもらったからこそ、もっといろいろな扉を見せていただきたいと思いますし、その違う扉でまた自分の書いたものを演じてもらえたらいいなと思います」と次のオファーともいえる湊の言葉に、戸田は「嬉しいです!最高です!」と感激の表情を見せていた。