長崎県佐世保市にあるハウステンボスは2022年の今年開業30周年を迎えた。
園内で営業する世界最大級のミッフィー専門店は12月1日より、ミッフィーグッズ専門店「ディック・ブルーナ・ショップ ナインチェ」、およびミッフィーグルメが楽しめる「ナインチェ・カフェ」としてリニューアルオープン。
一体、どんなショップになっているのだろう? ひと足お先に体験してきた。
ミッフィーグッズはここで買え!
リニューアルオープンする新店舗は、風光明媚なヨーロッパ情緒を感じさせる"アムステルダムシティ"のゾーンに展開する。ミッフィーグッズ専門店「ディック・ブルーナ・ショップ ナインチェ」には、ハウステンボス限定のアイテムを含む約1,000点ものグッズを取りそろえ、品ぞろえは世界最大級だという。
店内の様子、および販売するアイテムの一部を紹介していこう。
ミッフィーグルメが楽しい!
そしてミッフィーグルメが楽しめる「ナインチェ・カフェ」では、園内で育てた野菜、九州で採れた食材を使った料理を提供。大人から子どもまで楽しめるキュートなスイーツ、ドリンクも用意している。
店内は広く、清潔感がある。クッション、椅子にはミッフィーの顔が描かれており、子どものみならず大人だって心が和む。ちなみにテーブル、椅子は子どもの身長にあわせてやや低めに設計。また床には弾力があり、転んでも怪我をしないような配慮がされている。
『わくわくミッフィーカレー』は、長崎県産のソーセージを使用。彩り豊かな野菜と星形のチーズをトッピングしている。『ミッフィーのわんぱくキッズプレート』は星型のハンバーグに、九州産のソーセージ、ポテトなどを添えた。
このほか「ミッフィーのまんぷくプレート」(1,600円)、「ふわとろミッフィーオムライス」(1,300円)なども用意。
またテイクアウト用には、ハウステンボスの野菜工場で育った野菜を使用したサラダ、九州産ソーセージ、オリジナルクリームチーズを包んだ『ミッフィーのおでかけサンド(3種)』、チュロスを食べやすい大きさにカットし、はちみつやミルクバターパウダーをかけた甘いスナック「ミッフィーのしあわせミルクバターチュロス」などを販売する。
筆者は「ミッフィーのごろごろベリーワッフル」と「ミッフィーのふわふわホイップラテ」を注文。生地のしっかりした上品な甘さのワッフルに、冷たく濃厚なバニラアイスが乗っかっている。ナイフで切り分けながら食べた。
ワッフルの甘みとアイスクリームの相性がとても良い。ときおりハウステンボス産のブルーベリーをつまみ、チョコレートのムースをつけて「味変」を楽しむ。贅沢なひととき。そして「ミッフィーのふわふわホイップラテ」は、ほろ苦いカフェラテの上に生クリームが乗っている。優しい甘さにホッとした。
来年は卯(うさぎ)年!
店舗のリニューアルに際して、ショップが面する広場では11月30日にオープニングセレモニーが開催された。
その冒頭、ハウステンボス 代表取締役社長の坂口克彦氏は「当園ではオープン当時からミッフィーを取り扱ってまいりました。2001年にはナインチェショップができ、2017年にはナインチェカフェをオープンしました。これまでたくさんの方々に愛されてきたミッフィーです。ハウステンボス30周年というこの機会に、世界最大級のミッフィー専門店もリニューアルの日を迎えられ、大変嬉しく思っております」と挨拶。
また、駐日オランダ王国大使のペーター・ファン・デル・フリート氏より届いた「数年前に初めてこのテーマパークを訪れて以来、私はハウステンボスを日本とオランダの特別な絆の証しとして捉えてきました。世界中で愛されているミッフィーですが、日本とは特別な縁があるように思います。ミッフィーとハウステンボスが、これからもオランダと日本の大切な架け橋になることを願っています」というメッセージも紹介された。
このあと、ディック・ブルーナ・ジャパン代表取締役社長の鐵田昭吾氏が登壇し「こんなに素敵なスポットを作っていただき、ディック・ブルーナの関係者の1人として厚く御礼を申し上げたいと思います」と挨拶するとともに、ミッフィーの歴史についても触れた。
ミッフィーが誕生したのは1955年のこと。しかし当時、ミッフィーは現在のようなフォルムではなかったという。やがて8年の年月をかけてディック・ブルーナは独自のスタイルを確立。
ミッフィーは正面を向いて読み手を見つめるデザインとなり、また絵本は子どもたちが手に取りやすいよう正方形になった。そしてビビットな4色を中心としたブルーナカラーが確立されていった、とその経緯を明かす。
「ブルーナさんがオランダでミッフィーを完成させた1963年に、いち早くその魅力に気づいた日本人がいました。その1人が福音館書店の松居直さんという編集者だった。彼は『こんなに子ども向きに洗練された絵本は見たことがない』と早速日本に持ち帰ります。翻訳を持ち掛けられた石井桃子さんは、オランダ大使館などでも意見を聞いたうえで、ナインチェという響きから『うさこちゃん』という名前をつけ、『ちいさなうさこちゃん』という絵本として翻訳出版しました。そのため日本ではミッフィー、うさこちゃんという2つの名称で呼ばれています」(鐵田氏)。
ミッフィーは、ナインチェをイギリスに広める段階でイギリス人の子どもにも覚えやすいように命名されたもの。現在ではベネルクス三国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)ではナインチェ、世界的にはミッフィーの呼称でほぼ統一されているという。
最後に鐵田氏は「ミッフィーが世に出たのが1963年ですので、来年ちょうど60周年を迎えます。そして来年は卯(うさぎ)年ですね。ハウステンボスの皆さまとミッフィーにとって、飛躍の年になれば良いなと思っております」とまとめた。
このあと特別ゲストとして、SNSを通じてミッフィーの可愛さを発信しているYouTuberのあさぎーにょさんがゲスト登壇。
「配信を通じて年々、ミッフィーちゃんのファンが増えているのを感じます。ブルーナ・カラーをうまく洋服に取り入れることで、その可愛い世界観に没入しているファッション好きの女の子もいます。ミッフィーちゃんって、表情が大きく変わることはないんですけど、だからこそ、いろんな表情に見えてくるんですよね。例えば自分に元気がないとき、ちょっと寂しいなって思うときにミッフィーちゃんを見ると、色んな表情で色んなことを話しかけてくれる。そんなところも、私がミッフィーちゃんに惹かれる理由のひとつです」と話す。
そして「日本にいながらオランダに来たような感覚に浸れるハウステンボスの世界だから、このミッフィーちゃんも映える。青、黄、緑、オレンジといったブルーナカラーが遠くからでもパッと見で分かる、この建物の外観にもワクワクします。ミッフィーちゃんの世界観に没入できる場所ができ、いちファンとしても本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。