米コーニングは11月30日、スマートフォン用強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」を発表した。複数の顧客(デバイスメーカー)において性能評価が進められており、数カ月以内には搭載製品が市場に投入される見込みだという。
日常生活の中でラフに扱われがちな機器でありながら、表面積の大部分をガラスに覆われているスマートフォンにおいて、そのような用途に特化した強化ガラスの存在は欠かせない。コーニングのGorilla GlassシリーズやAGCのDragontrailのようなネームバリューのある高性能ガラスを採用する場合はスマートフォンメーカーが消費者向けのアピールポイントとして取り上げる場合も多く、これらのガラスの名前に見覚えがある方も多いのではないだろうか。
モバイルデバイスの画面(あるいは背面)のカバーガラスとしての利用に特化した強化ガラスとしてはGorilla Glassは最も歴史の長いブランドで、初代iPhoneのために製品化された初代Gorilla Glassから2020年発表のGorilla Glass Victusに至るまで、改良を重ねた多くのバージョンがリリースされている。
Gorilla Glass Victus 2の開発にあたっては、スマートフォン市場のトレンドとして大型化・重量化が続いているため、落下時にかかる衝撃がより大きくなることを考慮してガラスの組成を見直し、より落下耐性と耐擦傷性を高めた。ガラスの種類としては従来と同じアルミノシリケートガラスであり、具体的な変更点や前世代との性能差などは非開示。
同社ラボでダミースマートフォンにガラスを取り付けて行われた落下耐性試験においては、コンクリート面への落下では高さ1m、アスファルト面への落下では2mからでも破損しないことが確認されている。
耐擦傷性については、たとえば鍵や刃物のような金属製の突起物で線状のキズが入ってしまった場合、競合製品では筋の周りに細かなヒビが入ってしまい次に落下などの衝撃を受けた際の強度が低下してしまうところ、Gorilla Glass Victus 2では1本の筋のみでダメージを食い止められる。これらのテストの様子はコーニングの公式YouTubeチャンネルでも視聴できる。