えちごトキめき鉄道は、現役で活躍する最後の国鉄急行形電車「クハ455-701」を今後も走行させるために必要な費用の一部をクラウドファンディングで募っている。募集開始から2日間で第1目標金額の500万円を達成し、ネクストゴールが設定された。

  • えちごトキめき鉄道が「クハ455-701」の延命をめざし、クラウドファンディングを実施している

「クハ455-701」を含む455系は、国鉄時代に急行形電車として大量に製造され、日本中で活躍してきた。現在は老朽化に伴う廃車が進み、えちごトキめき鉄道の「クハ455-701」は、営業運転を続けている最後の国鉄急行形交直両用電車として貴重な存在となっている。

同社は現在、いずれも新製時から50~60年が経過している「クハ455-701」「モハ412-6」「クモハ413-6」の3両編成による「国鉄形観光急行」を土休日などに運行し、人気を集めてきた。「クハ455-701」を今後も走行させるために、間もなく迎える期限内に検査を通る必要があり、これに多額の費用がかかることから、広く寄付金を集めることとした。

今回行う「重要部検査」は4年ごとに実施され、走行装置やブレーキ装置、主電動機などを分解・検査・整備するもので、6~8週間程度かかるという。多額の費用がかかることは当初から予想されていたため、同社としても「クハ455-701」車内に仕立てた「455神社」で賽銭を集め、他にも記念乗車券の発行、夜行列車等のイベント、各種グッズの車内販売などで費用を集めてきた。

費用面の他にも課題があり、検査を通すことは困難かと思われたが、苦心の末に「あとは検査に掛かる費用さえ確保できれば、クハ455-701がこれからも走り続けられる道筋が見えてきた」という。検査や改装にかかる費用は2,500万円。このうち500万円をクラウドファンディングで募る。検査が通れば、この先8年程度走り続けられるとしている。

クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて、2023年1月15日11時まで支援を募る。支援金は1口3,000~100万円。返礼品として、455系の吊り革やヘッドマーク、455・413系の方向幕、修繕終了後の一番列車乗車の権利などを用意している。

なお、第1目標金額の500万円を達成し、「クハ455-701」の検査実施が確定したことを受け、残り2両「モハ412-6」「クモハ413-6」の全般検査も2024年1月に迫っていることから、これらの検査費用についてネクストゴールを設定。目標金額は1,500万円となった。