「失われた鳥を探す会」の調査チームは、ゴクラクバトの一種である「Black-naped Pheasant-pigeon」を初めて写真と動画を撮影に成功したと発表した。「Black-naped Pheasant-pigeon」が発見されたのは、実に140年ぶりだという。

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「Black-naped Pheasant-pigeon」は、パプアニューギニア東部にあるファーガソン島にしか生息しないゴクラクバトの一種。横方向に圧縮された尾羽と丸みを帯びた翼が特徴だ。生息地としての森林伐採の影響で、個体数が減少し絶滅の危機に瀕しているとされている。科学者によって1882年に初めて報告されて以降、姿を見ることはなかったという。

同調査チームは、2022年9月初旬にファーガソンに到着。1カ月かけて島を回り、地元住民に聞き取り調査を行い、ファーガソン島の最高峰キルケラン山の斜面に12台のカメラトラップを設置した。さらに、地元のハンターから過去に目撃情報のあった場所に8台のカメラを設置したそう。

「Black-naped Pheasant-pigeon」が歩き回る様子

結果として、島を離れる2日前にキルケラン山の西にあるドゥダ・ウヌナ村の上流のクワマ川付近の標高1000メートルの尾根に設置したカメラで、「Black-naped Pheasant-pigeon」が動く姿を捉えたという。「Black-naped Pheasant-pigeon」が歩き回る様子がYouTube上に公開されているので是非見てほしい。動画では、首元が黒く、オレンジ色をしたくちばしの「Black-naped Pheasant-pigeon」が確認できる。歩くたびに、尾羽が上下して、とても特徴的だ。

同調査チームのジョーダン・ボアズマ氏は、「クロエリキジバトの写真を撮る確率は1%未満だと思いました」「そしてカメラトラップの写真をスクロールしていた時、この鳥が私たちのカメラのすぐそばを歩いている写真に唖然としました」と述べている。

また、同調査チームのロジャー・サフォード氏は、「他の失われた種の探索に希望を与えるだけでなく、チームによって集められた詳細な情報は、ファーガソン島の他の固有種とともに、非常に脅威に晒されているはずのこの極めて稀な鳥の保護に基礎を与えることになります」とコメントした。