SNSトレンドとZ世代インサイトの研究機関「memedays(ミームデイズ)」はこのほど、「10代女性の2023年上半期トレンド予測および2022年下半期トレンド」に関する調査を実施した。

同調査は2022年11月2日〜3日、15〜19歳の女性525名を対象に、インターネット調査にて行った。

2023年上半期の10代トレンドキーワードを予測

10代トレンドとなるキーワードを予測するにあたり、10代女性が回答した「2023年上半期に流行しそうなもの」の中から、特に注目すべきものをmemedaysで選出。「芸能人・インフルエンサー」部門と「エンタメ・アイテム」部門でまとめた。

※SNSやYouTubeでのUGC数、フォロワー数、再生回数、チャンネル登録者数は、2022年11月28日時点のものとなる。

「芸能人・インフルエンサー」部門予測

  • 「芸能人・インフルエンサー」部門予測1位は「NewJeans(ニュージーンズ)」

はじめに選出したのは「NewJeans(ニュージーンズ)」。韓国の人気グループBTSが所属する「HYBE」の新レーベル「ADOR」から、今年8月に電撃デビューした5人組女性アイドルグループだ。

アートワークは日本の10代女子にすっかり定着しつつある「Y2K」の世界観となっていて、彼女たちのヘアメイクやファッションを真似する10代女子が増加している。

続いて「NMIXX(エンミックス)」を選出。前述の「NewJeans」を含め「K-POP第四世代」が10代女子の話題を席巻中だが、中でも今年2月にTWICEらが所属する大手芸能事務所「JYPエンターテインメント」から期待の大型新人ガールズグループとしてデビューした彼女たちへの注目度はひと際高く、メンバー全員の歌唱力が高すぎるグループとして、TikTokやYouTubeで人気を集めている。

続いて選出したのは、「&TEAM(エンティーム)」。こちらも「HYBE」が立ち上げた新レーベル「HYBE LABELS JAPAN」から今年12月にデビュー予定の新人で、日本発グローバルボーイズグループとなる。俳優の坂口健太郎が出演するMVのティザー映像が公開されたり、楽曲制作に日本の人気ボカロP「syudou」が参加したりと、韓国と日本のカルチャーが融合した新しいグループになるのではと期待されている。

インフルエンサーでは、独特な世界観のASMRで人気の「パンナコタ」を選出した。TikTokフォロワー数は200万人超、YouTubeチャンネル登録者数は61万人超。特に激辛フードのASMRが人気で、唐辛子やわさびを大量に食べても表情を一切変えないほどの激辛強者っぷりから、激辛番組やイベントに出演してほしいとのコメントが多数寄せられている。

最後は、「えるにーにょ」。高校生ながら、ゲーム配信・ショート動画・長尺動画をたくみに使い分ける新世代YouTuberだ。そのセンスあふれる企画力・トーク力・編集技術に10代を中心に尊敬の声が集まっており、人気は急上昇。チャンネル登録者数は驚異のペースで増加している。

「エンタメ・アイテム」部門予測

  • 「エンタメ・アイテム」部門予測、1位は漫画作品『マッシュル』に

エンタメは『週刊少年ジャンプ』で連載中の漫画作品『マッシュル』を選出した。2023年にはTVアニメ化が決定。2022年大ブームとなったTVアニメ『SPY×FAMILY』でロイド・フォージャー役を演じたことで、10代女子の間で人気上昇中の江口拓也が出演するということもあり、注目が集まっている。

次に、2023年3月に映画が公開予定の「わたしの幸せな結婚」を選出。原作は『和風シンデレラ物語』をコンセプトとした人気小説&コミックだが、映画版の主演は2022年下半期トレンドランキング芸能人部門1位の「目黒蓮(Snow Man)」が務め、10代女子の間で話題になること間違いなしだ。

アイテムでは「バラクラバ」を選出。元々は「目出し帽」を意味するが、日本ではニット生地で紐付き、顔全体が外にでるデザインが人気。コーディネートのUGCがじわじわと増加中で、令和ギャルファッションの新トレンドになると予測できる。

続いて選出したのは「SHEGLAM(シーグラム)」。2022年大人気を博したグローバルファッションブランド「SHEIN」による、オリジナルコスメラインとなる。遊び心あふれる商品ラインナップと圧倒的な低価格で、まとめ買いするZ世代が続出中。令和ギャルのマストアイテムとして定着するか、注目だ。

最後に選出したのは、今年10月に発売開始となった「Wonjungyo(ウォンジョンヨ)」。涙袋メイクの第一人者であり、「TWICE」メンバーの専属メイクアップアーティストとして知られる「ウォン・ジョンヨ」プロデュースの韓国の新コスメブランドだ。イメージモデルはMOMO(TWICE)が務め、低価格帯でありながら韓国アイドルメイクが再現できると話題に。続々と新商品も発表されている。

「2022年下半期10代トレンドランキング」を、一挙公開!

続いて、2022年下半期トレンドを調査し、「SNSミーム」「芸能人」「インフルエンサー」「エンタメ」「アイテム」の5つの部門ごとにランキング化した。

※前回調査結果「10代女性の2022年下半期トレンド予測および2022年上半期トレンド」:https://memedays.jp/research/1559/

「SNSミーム」部門

  • 「SNSミーム」部門1位には、「チグハグ」が輝く

InstagramやTikTokなどで広がる投稿アイデア=「SNSミーム」のトレンドランキングでは、「チグハグ」が1位にランクイン。男性アイドルグループ「THE SUPER FRUIT」の楽曲で、サビの印象的な振付だけでなく、タイトル通りの「チグハグ」なエピソードトークを披露して曲振りをするというSNSミームが誕生し、トレンド化した。

2位はクリエイターユニット「HoneyWorks」の楽曲「可愛くてごめん」。あざとかわいい歌詞が10代女子の間で共感を呼び、曲に合わせてあざといダンス動画やメイク動画が撮れると人気を集めた。

3位はバンド「Mrs. GREEN APPLE」の楽曲「ダンスホール」。メンバー全員がダンスを披露するという驚きも相まって、今年6月末に公開されたMVは現在2500万回再生を突破している。

4位は通常のピースをひっくり返したような形の「ギャルピース」。前回トレンドランキングで2位だった「ギャル超かわいい」に続き、令和ギャルたちの定番撮影ポーズとなった。

5位は2020年にリリースされた「藤井風」の楽曲「死ぬのがいいわ」。2年を経てのヒットとなったが、タイのSNSを起点に話題となったのが事の発端で、アジア、ヨーロッパとSNSを介して人気が広がり、逆輸入する形で日本でも話題に。SNSの、特にグローバルで影響力を持つTikTokのトレンドを生み出す力が、あらためて浮き彫りになった例といえる。

「芸能人」部門

  • 「芸能人」部門、「目黒蓮(Snow Man)」がトップ

1位は「目黒蓮(Snow Man)」。「めめ」の愛称で知られ、2022年下半期トレンドランキングエンタメ部門2位に入ったTVドラマ『silent』で主要キャストを演じたことで、話題が沸騰。映画への出演も続々と発表されており、来年以降もその人気は高まりを見せそうだ。

2位は「川口春奈」。すでに経験豊富な役者だが、前述の『silent』で主演を務めたことで、Z世代女子の間での注目が高まった。自身のYouTubeやInstagramも高い頻度で更新しており、SNSで見せる飾らない姿も人気の一因に。

3位は「鈴鹿央士」だった。下半期はZ世代の間で話題作となったTVドラマ『六本木クラス』(7月期)、『silent』(10月期)に連続して出演しており、存在感が増している。

4位は、2022年下半期トレンド予測でピックアップしていた「高橋文哉」がランクイン。2022年10月に放送開始したTVドラマ『君の花になる』ではアイドルグループのリーダーを演じており、演技だけでなく歌やダンスにも注目されている。また彼のInstagramアカウントもZ世代を中心に人気を集めており、フォロワー数は100万人を突破した。

5位は『LE SSERAFIM(ル セラフィム)』だった。こちらも、2022年下半期トレンド予測でピックアップしていた韓国の女性アイドルグループ。今年5月に韓国でデビューしたばかり、日本での正式デビューは来年1月という状況ながら、今年の紅白歌合戦初出場が決まるなど、日本でも多くの話題を集めている。

「インフルエンサー」部門

  • 「インフルエンサー」部門1位はVTuber「壱百満天原サロメ」

1位は2022年下半期トレンド予測で選出していたVTuber「壱百満天原サロメ」となった。今年5月に突然デビューし、住民票、履歴書、胃カメラの結果などを公開するというセンセーショナルな内容で話題を席巻。一気にチャンネル登録者数を伸ばし、11月現在は169万人を突破している。今年9月には初の「歌ってみた」動画をアップし、チャンネル内で最も再生されるなど、まだまだ伸びしろも感じられる。

2位は同じく2022年下半期トレンド予測で選出した「なるねぇ」。現在チャンネル登録者数172万人超と、人気急上昇中のダイエットYouTuber。ダイエット法を方言で楽しく・面白く伝えるトークスキルと、令和のギャルマインドがZ世代から支持されている。

3位は「らん 란」。2020年よりTikTokの投稿をはじめ、日本のZ世代女子の間で人気急上昇中の韓国人インフルエンサーだ。 通称「らんちゅ」。2022年6月からは活動拠点を日本に移し、TikTokのフォロワー数は160万人を突破。どこまで人気を伸ばすか、今後も注目の存在となる。

4位は「天然記念物」。SNSミーム部門ランキング1位の「チグハグ」を歌う男性アイドルグループ「THE SUPER FRUIT」のメンバー・小田惟真のTikTok アカウント名だ。自身もアイドルでありながらジャニーズオタクであることを公言しており、Z世代女性から共感も含めた人気を集めている。

5位は手作りケーキのプロセスを投稿しているTikToker「ケーキのオタクちゃん」。2020年にコロナ禍でのおうち時間で何かできないかと、ケーキ作りとTikTok投稿を開始。はじめたばかりとは思えない腕前に驚きの声が集まり、現在TikTokのフォロワー数は34万人超。今年の1月から投稿を始めたYouTubeもすでにチャンネル登録者数が17万人を突破している。新しいことにチャレンジし、自分の道を切り開いていく姿をリアルタイムで追っていた同世代が勇気づけられ、高い人気につながっていると見られる。

「エンタメ」部門

  • 「エンタメ」部門、トップは人気漫画・アニメ『SPY×FAMILY』

1位は人気漫画・アニメ『SPY×FAMILY』。前回の2022年上半期トレンドランキングでも1位を獲得しており、2期連続となる。下半期はアニメ放送の2期がスタートしたことで、再度話題化。ハロウィンシーズンには「アーニャ」と「ヨル」の仮装が大人から子どもまで人気となり、SNSを関連UGCが席巻した。

2位はTVドラマ『silent』。前述の芸能人部門TOP3を主要キャストが独占するなど、下半期で最もZ世代の関心を集めたエンタメのひとつといえる。全エピソードに隠された伏線の考察も人気。これまでにもミステリードラマの考察がSNS上でトレンド化する流れはありましが、ラブストーリーでは今回が初めてと見られる。

3位は映画『ONE PIECE FILM RED』。劇中に登場する歌姫「ウタ」の歌唱パートを、Z世代に人気の歌い手・Adoが担当したことで話題に。昨年末から各動画配信サービスでアニメが一挙配信されていたことや、原作も映画公開時に怒涛の伏線回収が展開されたことも相まって、新規ファンが増加している。

4位は『少年ジャンプ+』で連載中の漫画作品『チェンソーマン』。元々人気の高い作品だったが、2022年10月にアニメ放送を開始して以降、さらに話題化。ジャンプの主人公としては異色ともいえる「デンジ」のキャラクターや、伏線だらけの斬新なストーリー展開が人気を博し、来年以降も継続しそうだ。

5位は今年9月に発売されたNintendo Switch用ゲームソフト「スプラトゥーン3」がランクイン。発売初日から新作を待ち望んでいたファンたちによる感想投稿がSNSを席巻した。

「アイテム」部門

  • 「アイテム」部門1位は「アームウォーマー」に

1位は「アームウォーマー」。2022年下半期トレンド予測でピックアップしていた「令和ギャルファッション」としてヒット。平成ギャルと韓国女性アイドルのファッションをミックスしたような、日本のZ世代独自のファッションスタイルが確立されつつある。「アームウォーマー」は多くのK-POPアイドルが衣装に取り入れており、SNSミーム部門6位の「SHEINコーデ」でも人気のアイテムとなった。

2位は「進化系カヌレ」。こちらも2022年下半期トレンド予測でピックアップしていた「動画映え伝統スイーツ」のひとつで、カップケーキのようにクリームやチョコなどをのっけたり、フレーバーで色をつけたり、立体的でカラフルな動画映えする進化系カヌレとして流行。コンビニなど様々な場所で販売された。

3位は「UHA味覚糖」から2022年1月に発売された商品「水グミ」がランクイン。人気YouTuber「コムドット」がCMに出演したことで話題となり、即品切れ状態に。下半期からは再販され、新フレーバーも登場したことも相まって、食レポUGCが増加中だ。

4位は「JKケーキ」だった。元々JKの間で流行してきた「お菓子ケーキ」(市販のお菓子でデコレーションする手作りケーキ)がさらに進化。教室でクラスメイトと一緒に作り上げ、最後の仕上げに「FJK」(=高校1年生)、「SJK」(=高校2年生)、「LJK」 (=高校3年生)と書くことで、その時にしか作れない思い出として動画に残すのがトレンドになった。

5位に入ったのは「リーナ・ベル」。「東京ディズニーシー」の人気キャラクターシリーズ「ダッフィー&フレンズ」の7番目のキャラクターとして今年9月に仲間入りした。ふわふわのピンクコーデに「リーナ・ベル」のカチューシャを組み合わせた「リーナ・ベルコーデ」が、ディズニーリゾートにおでかけする際の新定番コーデとなっている。