シチズン時計は11月28日、「時間感覚」に関する調査結果を発表した。調査は11月1日~2日、全国18歳~26歳(Z世代)の給与所得者400名(男女各200名)を対象にインターネットで行われた。
デジタル化の急速な進展、SNSコミュニケーションの発達、働き方の多様化などで、時間の使い方にも変化が見られる近年。変化の時代の主役として注目を集めるZ世代はどのような“時間感覚”を持っているのか、“時間語”の受け止め方を探ってみた。
まずは、シーンに関係なく日常会話で使用する時間語から、「早朝」をピックアップ。広辞苑では「あさはやいうち」、気象庁は「夜明けからおよそ1~2時間」と定義しているが、Z世代は「4時20分頃〜7時近くまで」の2時間半程度を「早朝」と感じていることが明らかに。
同様に、広辞苑で「夜遅くまでおきていること」とされている「夜更かし」については1時03分以降と、午前1時を過ぎて起きていることを「夜更かし」と捉えているよう。この結果は、2013年調査では0時28分だったことから、現在のZ世代の方が30分ほど遅くなっている。
また、「午前様」が示す時間は5時11分以降という結果に。広辞苑では「酒を飲み、また遊び過ごして、帰宅が深夜の12時過ぎになること」となっているが、Z世代は、“深夜12時過ぎて”というより“朝になってから”とイメージしている人が多いよう。さらに、残業を減らし帰宅を早くする働き方改革やコロナ禍以降の自粛生活などで、夜に「酒を飲み、また遊び過ごす」ことが少なくなったことも影響しているのか、Z世代には「午前様」が死語となっていることが読み取れた。
そのほか、日常会話での時間語に対するZ世代の時間感覚は以下のとおり。
- 「未 明」……2時少し前〜6時半頃まで(1:58~6:33)
- 「昼下がり」……13時〜15時半頃まで(13:03~15:34)
- 「宵の口」……17時過ぎ〜19時半頃まで(17:10~19:39)
- 「真夜中」……23時半頃〜午前3時近くまで(23:34~2:46)
次に、ビジネスシーンに関わる時間語について聴取した。その結果、「なるべく早く」を省略した「なるはや」は、「10分」(24.0%)、「5分」(21.5%)、「30分」(20.0%)と意見が割れ、人によって時間の感覚が異なることが判明。平均値は32分だが、ビジネス上で使うときには注意が必要な言葉と言えるよう。
また、「ちょっと打ち合わせ」と言われた場合には、「30分」(31.3%)、「10分」(25.5%)、「20分」(18.5%)と捉える人が多く、平均値は約27分。おおむね30分以内が目安のよう。さらに、勤め帰りの「ちょっと一杯」という言葉に関しては、Z世代は「1時間」(35.1%)がダントツに多く、次いで「2時間」(15.0%)、「1時間30分」(14.3%)と続いた一方で、「1時間未満(5分~50分)」という人も3割程度(32.4%)おり、平均時間は約1時間6分となった。
そのほか、ビジネスシーンでの時間語に対するZ世代の時間感覚は以下のとおり。
- 「すぐ処理」……できれば10分以内、遅くとも30分以内に
- 「さくっと(終わらせます)」…… 気持よく仕事が片付くのは30分以内
- 「じっくり打ち合わせ」…… 約1時間が目安
- 「一服する(一休み)」…… 気分転換は5分~10分
- 「(電話で)ちょっとお待ちください」…… 待たせても30秒~1分以内
- 「折り返しお電話します」…… 遅くとも10分以内に
- 「(電話が込み合っています)しばらく経ってからおかけ直しください」……5分~10分後にかけ直す
最後に、“世の中の移り変わりが激しく、十年も経つと昔のこととなってしまう”という意味の四字熟語「十年一昔」について聞いたところ、従来の意味の「10年」(34.0%)と、半分の「5年」(29.8%)に票が集中。また回答の8割(81.1%)が「5年」~「10年」に集まり、平均値は6.5年という結果に。Z世代は「5~6年」を一昔と感じることがわかった。