就職する前に企業などで就業体験をする制度が「インターンシップ」です。希望している業界のことや企業の雰囲気を知ることができ、実務レベルで自分が向いているかどうかを把握するのに役立ち、自己分析がしやすくなるといわれています。

実際にインターンシップを体験した学生たちは、どのような目的で参加し、どのような印象を抱いているのか。

ITで新規事業の開発やイノベーション創出を手がける「Relic(レリック)」の内定者向けインターンシップを体験した学生4名に話を伺えたので、参加前後で気持ちの変化があったか、参加してよかったかなどリアルな感想を紹介します。

視野が広がり、新しい挑戦ができて楽しい!

2023年4月に入社予定の松山和揮さんは、勤務する前に少しでも仕事内容などを知り、社会人というものをイメージしておきたいと今年9月中旬からインターンシップを始めて、現在も継続中。静岡県在住のためフルリモートでの就労です。

「最初はとても緊張しました。何をしたらいいのか想像もつきませんでした」と、松山さん。

「でも、週に1回、先輩社員と1on1で話せる時間を設定してもらっていたので、分からないことや不安なことを相談できました。入社後にどうなりたいのか、自分にはなかった視点で具体的にアドバイスされたり、どれくらいの期間で必要なスキルを習得できるかの質問にフィードバックしてもらえたり、とてもありがたいです」

また、松山さんは同期入社する仲間とのつながりをつくりたかったそうです。松山さんはリモートのみの参加なので、同じくインターンシップで本社に出社している同期に社内の雰囲気などを教えてもらい、大変参考になったと言います。

「インターンシップでは、なるほど! と感じられる新しい体験がいっぱいあり、視野が広がりました。議論の進め方、資料作成の方法、プレゼンの仕方、ツールの使い方など実務的なスキルも少しずつ身に付けられます。学業以外のことに挑戦できるのは、純粋に楽しいですね。人それぞれに価値観は違うと思いますが、インターンシップは1つの選択肢としておもしろい経験ができるのではないでしょうか」

  • インターンシップで自分の将来をより深く考えられるようになったという松山和揮さん(経営情報学部)

少し勇気がいるが、得られるものは多い

夏休みを利用して1ケ月間のインターンシップを体験した玉城ももかさんは、滋賀県在住。来春から初めて東京での一人暮らしとなるため、上京後の不安を軽減したいとインターンシップに参加しました。

「マンスリーマンションで生活しながら出社しました。周りの人も環境もすべてが新しく、とても緊張しました」

少しでも早く自分に足りないものを把握したいと臨んでいた玉城さん。

「自分の目標をもって努力している先輩たちが多く、話せる機会を頂けたのは貴重な体験でした。私は、自分の目標が見えずに悩んでいたのですが、無理に目標を決めなくても、入社して目の前の業務に真剣に取り組んでいく中で見つけていけばいいと気付かせられました。ありがたいです」

さらに、モチベーションをコントロールしながら仕事をする大変さも感じましたが、それを乗り越えていかなければならないという自分の意志も強くなったようです。

玉城さんがインターンシップを終えて、まず痛感したのは「両親への感謝」だそうです。「いまは、親と過ごせる限られた時間を大切にしたいです。同時に、春からの新しい生活へのワクワク感もインターンシップによって先取りできました」

もし、インターンシップに参加するかどうか迷っているならば行動してみるのがいいと、玉城さんはアドバイスします。

「新しい人・環境によって得られるものは多い。少し勇気がいりますが、悩む時間はもったいないです!」

  • インターンシップは、とても有意義な時間だったと振り返る玉城ももかさん(国際教養学部)

学生のノリとは全く違うことを実感!

3人目は、東京都在住の藤井結弥さん。社会人に求められるスキルなどを少しでも先取りしたいと思い、今年8月初旬からインターンシップに参加し、今後も継続の予定です。

「当初は、分からないことだらけで何もできずに焦りました。週に1回、先輩と話せる1on1ミーティングで的確なアドバイスをもらい、とても助かっています」

まずは、言葉づかいやあいさつの仕方などビジネスマナーの基本が身に付いていないと実感。周りの先輩たちを見習いながら会得できるよう努めています。

また、仕事に少しずつ慣れるほどに業務で求められるレベルの高さを思い知りました。どんどん次の目標が見えてきて、自分に足りない知識やスキルに気付かされると言います。

でも、先輩たちのおかげでリサーチや情報収集の方法、仕事の進め方なども以前より効率がよくなり、実践的な力が少しずつ付いていると感じているそうです。

「インターンシップを経験して働くこと、社会人に対してのイメージが大きく変わりました。学生のノリとは全然違う! 自分の場合は、入社してから一気に学ぼうとしてもキャパオーバーだったと思うので、先取りできてよかったです」

  • 新しいアイデアが生まれやすい環境で好奇心が満たされるという藤井結弥さん(建築専攻)

先輩たちのおかげで漠然とした不安を軽減

4人目は、埼玉県在住の三谷陸さん。リモートでのインターンシップが可能な企業を探し、今年3月からRelicでフルリモートで参加しています。

エンジニア志望で、入社前に実務レベルでの開発経験を身に付けたいとインターンシップを希望した三谷さん。

「まず、大学での勉強だけでは、ゼンゼン通用しないことを実感しました。システム開発などはチームで取り組むので、一人の作業が遅れると他の人を待たせてしまうことになります。できないこと、分からないことは早めに聞くことも大切と先輩からアドバイスをもらい、自分ができることの幅が少しずつ増えています」

先輩からの的確なフィードバックがあるので、インターンシップでも成長を感じられる環境のようです。

社会人に対しての印象も変わり、以前は常にピリピリと張りつめているイメージでしたが、実際は仕事の合間に雑談をするなどメリハリがあることも分かりました。

「そんな先輩たちを尊敬しています。自分がインターンシップに何を求めるかを明確にして、その思いに応えてくれる企業を選ぶといいと思います。ボクの場合は、Relicでよかったと再認識。入社前に大学との違いを早めに体験できて漠然としていた不安を軽減できました」

  • 自分の希望や価値観に合うインターンシップ先を探すのが大切という三谷陸さん(情報連携学部)

インターンシップの目的を明確に!

今回、話を伺った4名は全員、インターンシップを通して意義深い体験ができたようです。特に、先輩に1対1で相談ができたのがよかったといいます。

「企業や業務内容に対して疑問や不安を感じる学生は多いでしょう。そもそも何を相談していいのかさえ分からない人もいます。当社では、事業や人間関係の課題などをキャッチアップできるように取り組み、上司と部下が1対1で行う『1on1ミーティング』を創業以来続けてきました。インターンシップでも取り入れ、内定者一人ひとりの状況や思いをフォローアップするよう努めています」(Relic Co-Creator Experience部 部長 兼 HRBP 齊藤優友さん)

インターンシップに何を求めるか。まずは、自分自身が目的をしっかり認識した上で、期間や時期、プログラム内容、リモートも可能かどうかなどの条件の検討が必要です。企業の受け入れ人数には限りがあるため、選考が行われる場合もあります。

ひと足早く社会に飛び込んでみることで、その後の学生生活の過ごし方や親との関わり方が変わったり、自分の将来像が見えやすくなって就活に生かせたり。スキルや知識の習得だけではない、思いがけない気付きや成長がインターンシップ体験で得られるかもしれません。