「日本航空」(以下、JAL)は、「俺の」とのコラボレーション企画第一弾として、北海道 仁木町・余市町の食材を使ったディナーイベント『旅するメーカーズディナー』を11月23日に「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」にて実施した。本コラボは、地域に眠る食材や産品を紹介。その地域への興味関心を喚起し、地域への誘客を目的としている。
満員御礼だった『旅するメーカーズディナー』で、筆者も旅気分を味わってきたのでその様子を紹介していこう。
■『旅するメーカーズディナー』とは?
そもそも『旅するメーカーズディナー』とは、JALと俺のが「食」を通じて地域への新たな人流を継続的に生み出すことを目的としてスタートした企画。地域食材などを活用したディナーイベント『旅するメーカーズディナー』を開催し、食を通して土地の魅力を感じてもらう。その後、希望者にはそのエリアを実際に訪れてもらい、食材や産品に直接触れられるツアーを用意している。
今回はその第一弾として、北海道 仁木町・余市町のワインや食材を使った『旅するメーカーズディナー』を「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」にて開催。イベントでは、同店支配人兼シェフソムリエを務める長谷川純一氏プロデュースによるフレンチコースが振る舞われた。
長谷川氏は提供する全6品のコースについて、「シェフのストーリーがあって、そこに造り手の想いをいれるのではなく、ワインの造り手たちの想いをシェフの料理で形にしたもの」と話す。
そのため提供される料理は、通常のマリアージュのアプローチとは逆になっている。料理を起点におくのではなく、ワインをベースにどんな料理が合うのかを考えて作られたそうだ。
また、イベント内では、コースで提供するワインの生産者と中継をつなぐ場面も。醸造家たちから参加者へ、こだわりや想いなどを伝えるだけでなく、参加者から積極的に質問をするなど相互にコミュニケーションをとっているのも印象的だった。
■ワインをベースに考案された料理の味わいは!?
"乾杯!"ではなく、「良い旅を」という言葉からコースはスタートする。
まずグラスに注がれたのは、NIKI Hills Wineryの「HATSUYUKI スパークリング 2020」。きめ細やかな泡とすっきりとした酸が特徴的で、幕開けを彩るにふさわしい一杯だ。
共に楽しむのは、冷前菜「ウニとオマール海老のコンソメゼリー、カリフラワー・ムースのカクテル」。「HATSUYUKI」の名前にかけ、雪に見立てたカリフラワーを使用したというメニューは、ウニの濃厚さとカリフラワーの優しい甘味が絶妙なバランスで調和する。さらに、それをスパークリングワインが包み込んでくれる秀逸なペアリングだった。
魚料理は、袋に包まれた印象的な姿で登場。
ブイヤベースに北海道産の鱈・蝦夷アワビ・ズワイ蟹をあわせている一品だ。袋を開けた瞬間、とにかく魚介の良い香りが立ちのぼる! 一緒にドメーヌ タカヒコの軽やかな赤ワイン「ヨイチ・ノボリ・パストゥーグラン 2020」をあわせると、食材の旨味が際立ち、相乗効果をもたらしてくれる。
メインは北海道余市北島豚を使用したリンゴのパイ包み焼き。ソースは余市のニッカウィスキーで香りをつけ、山椒と余市の名産であるリンゴをジャム状にして仕立てている。旨味と甘味と、"余市"の香りが詰まった一皿にあわせるのは、重厚感のある赤ワイン「MIYABI ~雅~ 2021」(ル・レーヴ ・ワイナリーより)。甘酸っぱいソースと豚の旨味を引き立たせてくれる力強いワインが、料理に華を添えてくれる。
造り手の想いをじかに感じたからだろうか。コース終盤には「美味しい」だけでなく、「実際に行ってみたい」との感情を抱くように。
なお、そんな人の期待に応えるのが『旅するメーカーズディナー』。本ディナーイベント開催後の2023年2月には、ワイナリー見学を含めた北海道 仁木町・余市町へのプレミアムツアーを実施する。そこには長谷川氏も同行するとのことで、非常に豪華な旅になること間違いない。
■今後の展開
本企画の担当者である日本航空 地域事業本部所属の猿渡美穂氏によると、次回は2023年2月下旬にディナーイベントを実施予定。2023年は3カ月ごとにイベント開催を予定しているとのことだ。今回はワインが中心だが、それに限らず各土地にある魅力的なものを提供していけたらと話す。
私たちの周りにある「食」は、作られる土地の気候・風土が大きく関係している。何気なく食べているものがどんな場所で育ち、どんな想いで作られているのか……。ぜひ、美味しさの背景を知る旅へあなたも訪れてみてはいかがだろうか。