ふるさと納税総合研究所は11月21日、令和3年度ふるさと納税寄付額を「北海道の179自治体」にて分析した「ふるさと納税分析レポート」を発表した。同レポートは、総務省発表の令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果を独自に分析したもの。

  • 1自治体あたりの寄付獲得状況の比較

令和3年度の寄付額は北海道が全47都道府県の中で最も多かった。自治体数が179と他の都道府県と比較して多いことが理由の一つでだが、1自治体あたりの寄付額も全国平均寄付額より大きく上回っている。一方、平均単価は全国平均を下回った。これは、北海道は主に食材が地域産品であることが主な理由と考えられる。

1位は紋別市、2位は根室市、3位は白糠町だった。9位の別海町は、前年の約1.5億円からの16倍と大きく寄付額を伸ばしている。返礼品の魅力が豊かな自治体で、返礼品数2,000、ポータルサイト数21と一挙に拡大し、シズル感のある写真と説明でコンバージョンも上がっていると推測される。

  • 1位から11位

戦略でユニークなのが、19位にランクインした寿都町だった。返礼品とサイトを多様化させた別海町とは対照的に寿都町ではサイトはふるさとチョイスのみ。返礼品数も134と少ないが、ふるさとチョイスのランキングではいくらで1位、ホタテで3位を獲得している。

  • 11位から20位

29位の余市町は元外務官僚であった齊藤町長がコネクションもフルに活用し、返礼品の付加価値を高める戦略をとっている。特にワインを戦略的な地域産品としてブランディングの強化に努めている。

  • 21位から30位

45位の砂川市は急成長し、今や世界的なブランドになりつつある化粧品メーカー「SHIRO」の創業の地。その返礼品が人気であり、寄付単価が高くなっている。

  • 41位から50位

88位の留寿都村には、国際的なリゾート地でもあるルスツリゾートが位置している。リゾートで利用できるクーポンが人気であるという。

  • 81位から90位

106位の奈井江町の寄付単価は、43,327円と非常に高い。お米の定期便の品揃えが豊かであり、しっかりとファンを掴んでいることが要因と考えられる。自治体ホームページではお米の事業者へのリンクを貼っており、事業者の知名度の向上にも寄与している。

  • 101位から110位

120位には、足寄町がランクインした。ジャパンチーズアワードのグランプリに選出された、チーズ工房の返礼品が人気となっている。

  • 111位から120位

北海道では最下位の179位となったのは島牧村だった。特産品はハチミツ・エビ甘漬け・生風味うに・しらす佃煮などだが、生産量に限界があるため、返礼品にするには難しい面があるとのこと。しかし特産品の魅力は十分に高いため、今後の展開に期待できるという。

  • 171位から179位

最大の寄付額であった紋別市と最小の寄付額の島牧村の差は万11,493倍と非常に大きな差となった。ふるさと納税への取り組みが進んでいる自治体とそうでない自治体の格差が大きく広がっている。